「ねぇ暇だなぁ〜〜」

「そうか」


久し振りにアメフトの練習がお休みという彼、クリフォードに呼び出され彼の部屋にやって来たはいいが当の本人は自室のソファーに座り雑誌を読み耽り私を放置してくる。
構ってもらえませんかオーラを出す私を余所にアメフト雑誌にずっとかじりついていた彼をジッと見つめるがそろそろ飽きてしまいスマホを弄りだす。
彼は同じ空間で互いに何をしていても構わないが、スマホだけはあまりいい顔をしないため視界の端でスマホさえ弄っていれば構ってくれると思ったが甘かったようだ。

どれだけ時間が経っても雑誌から目を離さないクリフォードにそろそろ私もスマホでの時間つぶしも飽きて来てしまいまたクリフォードの部屋の観察が始まった。
漫画とゲームに溢れた自分の部屋とは違い、アメフト雑誌や難しい本しかないすっきりとした部屋。
こんな部屋で私は暇つぶしを探そうだなんて思えない。絶対見つからない。流石はクリフォード・D・ルイス。王族がはったりだろうが信じちゃうよ。


「クリフォードォ…寝ちゃいそうだよ、構ってよ。」


クリフォードの隣に座って名前を呼ぶが一向に雑誌からは目を離さない。
いつもなら名前を呼べば仕方ないなと小さく笑って雑誌を置いてくれるのにいつまで経っても私の独り言が続いてしまう。
つまらない、ぽそりと呟くと肩に腕を回し頭を抱えられる様に撫でられる。


「それやられると更に眠くなる…」

「そうか。」

「今日どうしたの。」

「…」

「この前ねぇ、友達と新しいカフェに行って来たんだよ。そこのパフェが量も見た目も凄いアメリカンでね。食べきれるかなって思ったんだけど大食いの友達だったから残したの食べてもらっちゃった。胃袋大きくならないかなぁ。」

「ハッ。運動しねぇなまえがそんなんじゃデブまっしぐらじゃねえか。」

「そしたらクリフォードがダイエットに付き合ってくれるでしょ?」

「やらねぇよ」

「ふふ、ケチ」

「言ってろ」


会話をしているが絶えずずっと頭を撫で続けられ瞼は限界のようだ。
コテン、とクリフォードの肩に頭を預け瞼を閉じると小さく笑う彼の声が聞こえた。


「なまえに会えねえと調子悪りぃんだよ。」

「うそばっかり」

「練習だって不調だった、意地悪して悪かったな」

「自覚はあったんだね。でも、好きだからいいの。」

「そうかよ。」

「ねむーい」

「寝ればいい。起きるまでこうしててやるから。」


しあわせだなぁ、なんてクリフォードに顔をすりつけると彼は私を抱え直してソファーに寝転び、再び雑誌を読み始める。トクントクンとクリフォードの優しい心音が聞こえてくるのを子守唄代わりに、今度こそ私の意識は夢に拐われた。

眠る時、優しい手が頬を撫でた気がして夢の中でクリフォードが微笑んでいた。

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