06
「きゃあああああ!」
一人で考えをまとめていると、さっきまでののどかな雰囲気とはかけ離れた悲鳴が聞こえた。
ザワザワと騒ぎ立てる周りの人たちの視線を送るとそこには同じような格好をした集団がいた。
それも建物の上に、どうやって上ったのだろうか…
「今度こそお前らぶっ潰してこの界隈は俺達がもらう!」
下にいたつなぎを着た人達が建物の上にいる集団に挑戦しているみたいだ。
今度こそって、前に敗れた事があるという事だろう…
その挑発に乗ったのか、建物の上にいる集団のリーダー格の人が親指を下にさげた。
「ヒュー、かぁっこいー」
「またナワバリ争いだー!」
周りの人も心配そうに事の成り行きを見守っている。
安全ではないが、首を突っ込まなければ安心できる場所という考えは当たっていたみたいだ。
「このヤロー!特級の巧断、憑けてるからっていい気になってんじゃねぇぞ!」
巧断といえば、今朝空太さんに教えてもらったこの国の戦う術というやつだ。
八百万の神様がそれぞれモノに憑く。その力は無限大とも言っていた。何に使うかは己次第だと、
この人たちは、自分の権力誇示の為に使っているという事だろう。
巧断とは何かしらの形をしているらしく、可愛らしいのから気持ち悪いのまで多種多様だ。
「あれが巧断か」
「モコナが歩いてても驚かれないわけだー」
「むしろ日常化している感じでしたしね」
攻撃をするのはいいが、町のものを壊すのはいただけない。
逃げ惑う人たちと、野次を飛ばす人たち
よくあることなのだろう
一段と大きい何かが建物の上に出てきた。
あれは、
「エイ?」
魚のエイに似たやつが現れ、水をまき散らす。
その水の勢いは人を巻き込み、さらに建物を壊しながら静まっていく
「危ない!!」
小狼君が叫んだ。
その先には水によって倒れたであろう男の子二人と落ちてくる看板
小狼君が二人をかばう。あれが当たれば小狼君の命はない
そうおもった瞬間、炎が現れ看板を炭も残さないぐらい激しく燃やした。
そう、小狼君の巧断が
「お前の巧断も特級らしいな」
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