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「まぁ!エースの弟さんは麦わらのルフィですの!?」
「お!お前おれの弟を知ってんのか」
私、エレナは心の中で合掌しました。嬉しそうに身を乗り出すエースの可愛さよ!!いや可愛いというよりイケメンだ。キラキラと輝く瞳はまるで宝石のよう。顔面偏差値の高さに私は驚きを隠せない。
何にせよさっきエースがポロッと口にしたおれの弟に似てる発言が思いのほか盛り上がって今に至る。エースの弟がルフィなの知ってる!なんなら兄弟がもう一人いるのも知ってる!革命軍の参謀総長様だよね!
「知ってますわよ わたくしルフィの大ファンですもの!」
「そりゃ嬉しいねェ なんだ、お前いいやつじゃねェか」
「い、いいやつ!?私なんかにそんな事言ってくれるエースはお優しいのですね」
「ガキのクセに謙遜すんのなお前」
「ガキですって!?レディに向かってなんてこと言うんですの!」
「レディ?そんじゃあ聞くがお前今いくつだよ」
「10歳ですわ」
「だっはっは!!やっぱガキじゃねェか!」
ケラケラと笑いながら私を見るエース。きぃいい!悔しい、とっても悔しい!私の優しい優しいジンベエはなぜ言い返してくれないの!?ジンベエの方を見ると座ったままスヤァと気持ち良さそうに寝ていた。
いや寝てるゥウウ!?フリーダムか!?よくこの状況で寝れたな、すんごい神経の持ち主だよ全く!恐れ入った、流石はいずれルフィの仲間になる魚人。その度胸も海賊王のクルークラスだ。
「しかし天竜人っつーから噂通りの最低野郎かと思ってたがお前は何かいい意味で変なやつだよな」
「…それは褒めてるんですの?」
「ん?当たり前だろ それにお前おれの弟のファンだしな」
そう言ってニカッと笑ったエースの笑顔が眩しくて目を細めた。くぅう…!!眩しすぎて私の目が眩んでしまいそうだ!
私をいい奴と認識する点がルフィのファンだからってエース、君はどんだけルフィ好きなんだね。いやでもわかるよ、ルフィって絶対愛され体質だよね。思わず可愛がってあげたくなるよね。
「そうだ、エースお腹空いてませんかしら まともな食事をとってないでしょう?」
「そういやそうだな そう言われると腹が減ったような気もする」
「じゃあお食事の準備をしますわね!何かお好きな食べ物はありますの?」
「基本食いモンならなんでも食えるが強いて言えば肉だな」
肉か。さすがルフィのお兄様だ。二人が肉が好きならサボもきっと肉が好きなのだろう。ワイルドで男らしいエースに肉はきっと似合うはず!私は急いで電伝虫を厨房に繋いだ。スヤスヤと可愛らしい寝顔で眠るジンベエの分の食事も頼んだ。
「お前おれなんかに食事なんか用意していいのかよ」
「当たり前ですわ 仮にもエースはわたくしの”奴隷”という事になってますし、わたくしがどう奴隷を扱おうと文句は言わせませんわ 安心して下さいまし」
珍しそうな目で私を見つめてくるエースにそう返すと彼は「そうか」と言って世の女性を悩殺するかのような笑顔を私に向けた。
やだんもうかっこよすぎて私の鼻が血まみれになりそう!!