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「本当に大丈夫なんだな?」

「嘘だと分かればただじゃおかんぞ」

ひぃいい!!怖い、一言で言って怖い!なんなんだお前ら、たかが鼻血に何をそこまで!?確かに量は多いけども!二人がこれまで修羅場を乗り越えた時の怪我に比べればなんでもないぞ!

しかもジンベエ怖い!ただじゃおかんとか仮に私が嘘をついていたらどうなるんだ!?

「本当に大丈夫ですわ。ほら、もう止まってるでしょう?たまにあるんですのよ、鼻血が突然出るの」

「そんなにか?」

「ほゥ…天竜人は定期的に鼻血を出すんじゃな」

「え?ええ」

有無を言わさないジンベエの尋問に私は頷く以外選択肢があっただろうか。ていうかジンベエさんよ、あなたそんな心配症キャラだったっけ!?天竜人は定期的に鼻血を出すっていう嘘もついてしまったし!私はなんて罪な女なんだ!こんな魔性の女に育ってしまったのは私を甘やかすだけ甘やかした両親のせいだ!責任転嫁でもなんとでも言え!

「それよりエース、身体は大丈夫なんですの?」

「おう よく寝たからな」

「食事中に眠ってから3日間も目を覚まさなかったからエレナが心配しておったぞ」

「そりゃ心配かけたな!でもお前のおかげでよく眠れたよエレナ それで身体拭いてくれてたんだろ?」

ラッキーハプニングのせいで床に落ちたタオルを指差しながらエースが言う。くぅう!エース!また私の名前を呼ぶなど…!いや嬉しいけど、声も顔も何もかもがかっこいい人に呼ばれるとメロリンしてしまう!まるでハンコックに石にされる瞬間のように私のハートは暴れ回る。
まぁ石にされたことはおろか会ったことすらないのだが。一度会ってみたいけど彼女は天竜人を特に毛嫌いしているからな…。何せ奴隷にされた過去がある。

「ええ、エースがよく眠れたのならやった甲斐がありますわ」

「そうか ありがとうな!」

「ええ。でもエースがいきなり抱き締めてきたからほとんど出来ずじまいでしたけどね」

「おれが?お前が抱きついてきたんじゃねェのか?」

「エ、エースがわたくしの腕を掴んで抱き寄せてきたんですわよ!」

「そういや何かを抱き締めてる夢見たかも知れねェ お前思ったよりマシュマロみたいで抱き心地いいのな!」

「マ、マシュマロ!?」

何を!?それは私が思ったより太ってると言いたいのか!マシュマロ系女子だとでも!?いや、私は自分で言うのもなんだがそこまで太ってはない!

しかし何かを抱き締めてる夢とは…ま、まさか彼女とか!?もしそうだったらどうしよう!?エースに彼女なんて…耐えられない!「相変わらず今日も世界一可愛いな」とか「お前の愛でおれが焼け焦げそうだぜ」とか言っちゃうんだろ!?うぉおおお!!羨ましい!私もそんなこと言われたい!!

だめだ、気になって夜も眠れたもんじゃない。これは何を抱き締める夢だったのか本人に直接聞くしかない…!!

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