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「ぶわっはっはっ!!お嬢ちゃんがエースを助けたっちゅー天竜人じゃな」
ガ、ガープさん!?海軍大将に続きあの英雄ガープと名高いルフィのお爺ちゃんが私をインペルダウンまで送迎してくれるだと!?一体どんな偶然なんだ。ルフィ絡みだからガープさんが来たのだろうか。…しかしなぜ彼はこんなにも笑っているのだろう。
「げっ…ジジイかよ」
「ふん、相変わらず生意気なクソガキじゃなエース 海賊の次は天竜人の奴隷とはお前も忙しい奴め」
「うるせェよ エレナをそこら辺の天竜人と一緒にするな」
「公開処刑寸前でそれを防ぐようにお前を奴隷にしたんじゃ 元より普通の天竜人だとは思っておらんわい」
なんか色々バレてる???あれ、私の思惑バレてる感じかな。
「ガープさん、何を言ってらっしゃるのかしら」
「まだ小さいのに可愛い顔しとるのう わしの孫の嫁なんてどうじゃ?」
よ、嫁ェ!?話が飛躍しすぎてついて行けない!!この歳でそれも天竜人の私に自分の孫をチョイスするガープさんったらどんだけルフィのこと好きなんだよ、孫大好きかよ!
「ルフィにはやらねェよ コイツはおれがもらう」
「なんじゃ、お前さんらデキとるのか」
「デ、デキッ!?」
デキてるとか言わないでェエエエ!!恥ずかしい!そんなことよりエースが私を嫁にする発言割と本気そうなのがもう無理、心肺停止する!嬉しすぎて身体が木っ端微塵に弾け飛びそうだ。まぁ本当に弾け飛んだら死ぬんだけど。
「そういうことだ」
「クソガキのくせに一丁前に女なぞ作りおって 随分余裕じゃな」
うぁあ、エースが肯定してる!!私たちデキてたの!?そういう描写少しもなかった気がするけどデキてたんですか!?いやでも今思えば一緒にお風呂はいった中だし、同じベッドで寝てるし、もしかしてこれをデキてるというんですかね!?
「口うるせェジジイだな おれがどう生きようとおれの勝手だろ」
「エースさん、落ち着くんじゃ」
これまで一言も喋らないでいたジンベエがそう言ってエースを諭す。…ごめん、いるの忘れてたジンベエ。悪気はないんだ。あまりにもガープさんの印象というか存在?が強すぎてジンベエの気配がしなかったんだよ。
「そうですわ エース、今はルフィを助けることだけ考えておきましょう」
「ああ そうだな」
きゅっとエースの手を握ってそう言えばエースはゆるりと表情を僅かに崩して私の頭を撫でた。はぅっ!一つ一つの仕草がもういい男すぎて私の心臓がエースの炎で焼かれてしまいそうだ。
「通りでおかしいと思ったんじゃ 天竜人のお前さんが二度もインペルダウンへ何の用があるのか。どうやら理由はルフィの奴を助ける為なんじゃな」
後ろからするその声に私はやばいと思ったがもうすでに手遅れだった。真後ろにガープさんがいるの一瞬忘れてた!!
私のバカ!こんな初歩的なミスをするなんて!エースとジンベエを助けられたからって油断したのが命取りになってしまった。
さてどうする、私!