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ゴゴゴ…!!!
「着いた…」
ようやくインペルダウンに到着した。またこんなすぐにインペルダウンへ戻ってくるとは思わなかったな。
「お待ちしておりましたエレナ宮!しかし相変わらずの可愛さに私下痢が出そうです」
「一生トイレにこもってろ下痢野郎」
「何か言ったか、ハンニャバル」
「いえ、何も」
「ふふふっ!署長、お元気そうで何よりですわ。エレナ、署長に会えなくて寂しかったわ。署長は…寂しかったかしら?」
「ブひゃあ!!私ももちろん寂しくて毎夜毎夜下痢が止まりませんでした!」
目をハートにするマゼランさんの相も変わらずチョロいことよ。だけどさっきからなぜ全て下痢の方に話を持っていくのだろうか…。相変わらずの可愛さに下痢が出そうとか私に会えなくて寂しくて毎晩下痢してたとか…。
いや、でも扱いやすいからもうそこは良しとするか。
「なんじゃ、マゼランはお嬢ちゃんの事がラブい感じか?」
ラブい!?なんだそのナウいセリフは!!誰に習ったガープさん!
「知らねェよ 一方的に好かれてるだけだろ」
「インペルダウンの署長を骨抜きにするとはさすがわしの孫嫁じゃな!」
「しつけェぞジジイ!エレナはルフィにゃやらねェって言ってんだろ」
きゃあ〜ん!!なんて嬉しい悲鳴!ここはやめて、私の為に争わないで!とか言った方がいいのかなぁ!!
「エレナ、大丈夫か 顔が大変なことになっとるが」
「へ!?」
ガバッと上を見上げるとジンベエが心配そうに私を見つめていた。ぐっ…嬉しくてデロンデロンに伸びきった私の醜い顔を見られてしまった…!!恥ずかしい!
「大丈夫ですわ!心配してくれてありがとうございますわジンベエちゃん」
「お前さんが大丈夫ならそれでいいんじゃが…疲れたら遠慮なく言ってくれ」
「もう…本当にジンベエちゃんは優しいんですのね。じゃあ疲れたらジンベエちゃんに抱っこしてもらおうかしら!」
「それぐらいならお安い御用じゃ」
私の周り全員びっくりするほど私に甘いんだけど大丈夫なのかこれは。ここまで優しくされるとなんだかとても調子が狂う。そしてジンベエは相変わらず可愛いがすぎる。
お安い御用じゃなんて言って少し誇らしげな顔するのとか可愛いの暴力だよ!
「ではエレナ宮、これより”麦わらのルフィ”拘束所へと向かいますが準備はよろしいでしょうか」
「ええ、お願いしますわ署長」
「よし、ハンニャバル!リフトの用意を」
「整ってマッシュ」
「こちらのリフトを使って麦わらのルフィが捕らえられている地下6階、LEVEL6へと向かいます」
ここからが問題だ。どうやってルフィを助け出すのが最善の策なのか。一歩誤れば未来の海賊王の名に泥を塗ることになる。ファンとしてそれだけは避けたいものだ。
暫く考えているとピコンッと私の頭にある作戦が思い浮かんだ。私ってばやっぱり策士の才能があるわ!ぶっちゃけかなり雑な案だが…ふふ!ここは天竜人の職権乱用と行こうじゃないか!