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「なんと!!”麦わらのルフィ”はエレナ宮のご友人で!?」

「え、ええ そうですわ!以前シャボンディ諸島でルフィと出会った時にお友達になったんですの」

「何言ってんだ!おれはお前なんか知らねェぞ」

「な、何を言ってるのかしらルフィったら〜!おほほほ」

私は口に手を添えて上品に笑う。うん、お願いだからお黙り願おうかモンキー・D・ルフィさんよ。ここまで空気の読めない人間中々いないぞ?え?早くも計画がパァになりそうだよ!!

「じいちゃん、エース おれ本当にコイツ知らねェんだけど二人とも知り合いか?」

まじで黙れ、黙ってくれクソゴム!!

「知り合いっつーかあれだ…こいつはおれの友達なんだ おれもよく世話になってる」

「貴様エース!!エレナ宮に向かってなんという」

「署長!!エースを怒らないであげて下さいまし。ね?」

きゅるるん!と上目遣いでマゼランさんを見つめれば目をハートにして固まった。ついに能力なしにハンコックの域にまで到達してしまった。
マゼランさんがロリコンで助かった。

「本当にお前さんは人を操るのに長けておるのう あっぱれじゃ」

「しー!しーっ!ジンベエちゃん!他の人に聞こえたらどうするんですの?」

「そんなに心配せんでも大丈夫じゃ 誰も聞いとらん」

全くどこにそんな根拠があるんだジンベエよ!こんな幼く可憐な天竜人がインペルダウンの署長を手のひらで転がしているなんてバレれば大変なことになるぞ。

何しろ私のイメージがだだ下がりだ!そして何よりバレればルフィをここから助け出す事ができなくなってしまう。

「ずいぶんルフィに手を焼いてるようじゃのう」

「本当ですわよ ガープさん 何かいい案があれば教えて下さいまし」

「よし じゃあ特別に教えてやろう」

ガープさんもルフィ救出の案があるらしく、私は期待に胸を膨らませてその案とやらを聞く。

「答えは”ない”じゃ!ぶわっはっはっはっ!!!」

「……っ(このジジイ!!!)」

思わず口が悪くなってしまったではないか。まさにこの祖父にしてこの孫ありだ。一体何なんだこの家族。いや、だが流石主人公とその祖父なのだと褒めるべきか。

天竜人である私をここまで困らせるなど中々できるものではない。

「さ、署長!ルフィを出して下さいまし ルフィとはこれからシャボンディ諸島までお散歩する予定だったんですの」

「ハッ!!一瞬意識を失っていた…」

「署長、聞いてますの?」

「ハイ!麦わらのルフィの受け渡しですね。エレナ宮のご命令ともあれば早速」

「さすが署長ですわ!かっこいい」

パチパチパチ!と大げさに拍手をして場を盛り上げる。あ〜私って本当罪な女!
向こうでルフィが「だから誰なんだよあいつ!本当に知らねェんだよ」と言っているがもう、うん。少し黙っとれ。

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