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「えー!お前天竜人だったのか!?」

「…え、ええ」

「そうなのか でもお前おれと友達なんだよな?」

「もしルフィが嫌じゃなければ、わたくしは友達でいたいですわ」

「いいぞ 別に!おれお前嫌いじゃねェし」

「本当…?」

「おう!むしろ好きだ グラまんくれたから」

そ、そこ!?グラまんにつられたの!?お菓子につられるなんてなんて危ない子なの!

もっと険悪な雰囲気になると思ってたのになんだか拍子抜けした気分だ。ルフィは私があのチャルロスと同じ天竜人の一族だと知っても笑って友達になってくれる優しい心の持ち主。一見愚鈍に見えるほど人がいいのがルフィの長所だと思う。

「ルフィ、改めてお友達としてよろしくお願いしますわ!」

「しししっ!ああ よろしくな!」

手を差し出せばルフィがギュッと私の手を握り返して向日葵の様な笑顔を浮かべて笑った。…やっぱりエースもルフィも兄弟なんだなと、この笑顔を見て確信する。思わずつられて笑ってしまうくらい気持ちのいい笑顔だ。

「いい弟だろ?」

「ふふふっ!ええ やっぱりルフィはかっこいいですわね」

「確かにルフィがいい男なのは認める。けどおれも負けてねェだろ?」

「心配しなくてもわたくしの一番はエースですわ だっていつかわたくしをお嫁さんにして下さるんですものね!」

今この瞬間が楽しくて、またルフィとエースが笑いあえる未来を作れて本当に嬉しい。私がこの世界に生まれた意味は今この瞬間の為なんだ。本当にエースもルフィもジンベエも助け出せてよかった。そう思って微笑んでいるとふいにエースがしゃがみ込んだ。

「エレナ」

「?……!?」

チュッ

「……」

「……」

「…ワリィ、今のなしな」

エースが両手で顔を覆って下を向いた。……これは、夢?私今、キスされた?ほっぺだけど、キスされたよね…??

「エース、いま…」

「あー待て!言うな!…本当に」

エースがガバッと顔を上げて私の口を手の平で塞いだ。微かに頬が赤いような気がするのは気のせいではないはず。ついでに言うと耳も赤い。私はゆっくりエースのサングラスを外してみた。

「スマン」

照れているのか伏し目がちなエースがそこにいた。おっふ!やばい。いよいよ殺される。

「あ、謝らないで下さいまし!わたくしは…その、嬉しかったですわ」

「…おう」

「……」

な、なんだこのいい意味で気まずい雰囲気は!!前といいラブラブタイムが唐突すぎる、心の準備が…!同じ目線の高さになったことで至近距離でエースの照れてる顔を見ているんだけど…ああ、だめだ。細胞の一つ一つが小踊りしている。どうしよう、このままでは私はエースの炎で溶けるチョコのようにとろけてしまうかもしれない。

ジンベエに助けを求めようと前を見るととても温かな目をしたジンベエがいた。サングラスをとってこっちを見ている。何故だ!見えずらいから外したのか!?

「グラまんうんめェなァ」

もぐもぐと口をせわしなく動かしながらグラまんに夢中なルフィはこの状況に気づいていない。

「エース…わたくしは大丈夫ですから、ね?」

「本当にすまねェ(ロリコンとか勘弁してくれ…オヤジ達に合わせる顔がねェ…)」

無邪気に微笑むエレナの笑顔を見て無意識にそのやわらかな頬にキスしてしまった。そのことに絶賛内心パニクっているエースはぐしゃりと髪の毛を掻きあげながら熱い息を吐き出した。今、彼の頭の中はロリコンという単語と罪悪感で埋め尽くされていた。

そしてそれを傍でとても、とても温かい目で見守っていたジンベエは一歩前進した二人の関係に一人じーんと心を打たれていた。

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