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「いましたわ!ちょっと行って来ますわね」
「ああ 早く戻ってこいよ」
マルコのもとまで案内してくれたエースに一言断りを入れて白ひげさんの部屋から出てきたマルコに歩み寄る。
しっかしやっぱりどう見ても…パイナップルだ。おそらくマルコの前世はパイナップルだったに違いない。
「だれの前世がパイナップルだよい」
「ひぃ!マ、マルコ!?どうしてそれを」
マルコのパイナップルすぎるヘアスタイルを見ていたらいつのまにか目の前まで来ているのに気づかなくて変な声が出た。
しかもなんで私が今前世はパイナップルだと思ってることを知ってるんだ!?
「あ、あははは!嫌ですわ マルコの前世がパイナップルだなんて誰が言ったのかしら」
「お前だよい」
「へ!?」
「無意識だろうが全部口に出してたぜ?」
やれやれといった表情の不死鳥を見て私はしまった!と両手で口を覆った。
バカバカ!私のバカ!謝るつもりで来たのにさらに怒らせてどうするんだ!
「ごめんなさいマルコ 悪気があったわけではなくて!でも、その…先入観が邪魔をしてしまいまして」
それはそれは南国のフルーツを思わせる彼のオシャレヘアーをチラッと視界に映しながらなんとか謝罪の言葉は述べられた。
しかしマルコは何も言わなかった。
………これはかなりまずいのでは?
まさかガチギレぷんぷん丸?
私はごくっと唾を飲み込んでから精神誠意を込めて頭を下げた。
「ほっ本当に悪いと思ってますの…!ごめんなさい!怒りが収まらないなら殴っても構いませんわ!」
小さな声で手加減はして欲しいですけれど、と付け加えておいた。いやだって本当に殴られたら私絶対おっ死ぬからね。
マリージョアから離れてお付きの者もいない今私を守る手立ては何もないのだ。
くぅ、力がないとはなんと無力なことよ!
「ハハ そんな身構えねェでくれ 気にしちゃいねェ」
「本当ですの…?ゆ、油断させておいて皆が寝静まった後にわたくしをサメの餌にするとか…」
「全く想像力豊かな姫さんだよい」
ポフッとマルコの大きな手が私の頭を撫でた。ぐぬぬ!クザンといい大人の男ってのはどうしてこうも女子の扱いに長けているのだ!頭ポンポンなんて全女子の大好物だぞ!!
「エースの命の恩人っつーのもそうだけどよい なんだか歳の離れた妹みてェでつい可愛く思えちまうんだ」
「か、かわいく…!?」
「だから怒ってなんかねェよい わざわざ謝りに来てくれたみてェで気を使わせたな」
「マ、マルコ!」
大天使マルコ様!なんてお優しいパイナポーなのだろうか。許してくれるどころか妹のように思ってもらえてたなんて嬉しすぎる!マルコお兄様〜と抱きつこうとした瞬間、お腹周りに突如現れた逞しい腕の感触が私を引き止めた。