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「エース!はやくはやく!あっちのお店にも行きたいです!」

私とエースは今、魚人島を散策していた。
白ひげさんが二人で観光でもして来いと言うので喜んで頷いて今に至る。

そんな白ひげさんはどうやらネプチューン王に会うそうで別行動だ。
そういえば魚人島って白ひげのナワバリだったもんね。忘れてた。

「わかったから走るなって!転んだら危ないだろ」

「えへへん!大丈夫ですわ!わたくしもう立派なレディですから転ぶなんてっ…っわわ!!」

エースの心配をよそに次のお店へと走っていた時、地面に落ちていた石に躓いて私の身体が前のめりに傾く。
だめだ!転ぶ!可愛い私のお顔に傷ができてしまう!

ガシッ!

「いっ…!たくない…?あ!エース!」

どうやら倒れる前にエースが助けてくれたみたいだった。その証拠にエースが私の腕を掴んでいる。

「ったくお前は!言ったそばから転びそうになりやがって」

「ご、ごめんなさい…もう走ったりしませんから」

エースに怒られてしまった。それはそうだ。心配してくれていたエースの言葉を聞きもせず走っていたせいで転びそうになったのだから。
またガキって思われたかな…

「ハァ…走りたかったら次からおれも一緒に走ってやるから。わかったな?」

「…!わかりましたわ!」

私がそう答えると満足そうに頷くエース。しかし私は思った。うん。少し過保護すぎないかな?あれ、私の勘違いかな。危ないから一緒に走るとかどんだけドジっ子だと思われてんの私!

そんなんじゃ美しく知的なレディとは程遠いというのに!
エースのお嫁さんになるべく一人コツコツとセルフ花嫁修行をしているのに全く進歩がない。誰か私に花嫁修行を叩き込んでくれ!

「おい 着いたぞエレナ」

「ハッ!!きゃ、きゃ〜!かわいい!」

脳内でそんなことを考えていたらいつのまにか私が次に行こうとしていたショップに到着したらしく、私はお店に並ぶ数々のピン留めやヘアゴム、アクセサリーなどを見て目を輝かせた。

天竜人だからアクセサリーなんていくらでも手に入ると思ってるそこのあなた!ノンノン!私の前世は至って平凡な高校生!宝石なんて歳取ってからいくらでも付けれるし、何より無くした時のことを考えると心臓に悪い。

一体いくらかもわからない宝石を身につけるより私はこういった手軽に身につけられるアクセサリーの方がいいのだ。
ああ、懐かしいな…放課後よくみんなで寄り道してキャッキャしてたなぁ。

「エレナ?大丈夫か?」

はっ!いかんいかん。前世の余韻に浸っていて一瞬意識が飛んでいた。

「おほほ、大丈夫ですわ 少し前世の余韻に浸っていただけですの」

「前世?」

「あっ!いえ、あの、わたくしの前世はどんな人だったのかしらと思って!」

「ハハッ何だそれ 今考えることかよ」

「そ、そうですわよね!私ったら魚人島が楽しすぎて現実逃避してたみたいですわ」

「まァ楽しいならいいんじゃねェか?心配しなくともきっとお前は前世でもいいヤツだと思うし」

「もうエースったら!そんな褒めても何も出ませんわよ?」

そんなふざけた話をしてエースと笑い合いながら私は店内を見て回る。
わ、このピン留め私が前世いつも使ってたやつによく似てる…!

「懐かしいなぁ…」

ピンク色のリボンのピン留め。あの時は毎日毎日お世話になりました。邪魔な前髪もこのピン留めのおかげで視界良好だったし。ぶっちゃけ邪魔すぎて根元から切ろうかと思ったりもしたが友達に全力で止められたなぁ。

「やっぱ女はこういうモンが好きなんだな」

「そうですわねェ…見てるだけでも楽しいものですわよ」

おれからしたら全部同じに見えるけどな、と言うエースはデリカシーのかけらも無いと思う。うん、この世界の男はみんなこうだよな!

思わぬところで前世の懐かしい思い出を思い出しながら私は可愛らしい店内の品物を見て回るのだった。

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