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「フゥ…さすがに少し疲れましたわね」

「なんだよ 背負えってか?」

「え!?べ、別にそんなこと思ってませんわよ!」

だーー!!!嘘!めちゃくちゃおんぶされたい!なんでこうも素直になれないの私ったら!ほんとバカ!あんぽんたん!
こんなウルトラミラクルチャンスを逃すなんて!

「ふーん おれはてっきりそういう意味かと思ったんだけどな」

「…どうしても…どうしてもこのわたくしを背負いたいというならいいですわよ」

「……」

…!!だから!なんでこうも私のお口は言うことを聞かない!?もしかしてこのおバカさんなお口は私の口じゃないの!?ねえそうなの!?

もっと甘えた声でおねだりしてみるとかよォ!色々あるだろ!?なんでこんな可愛くないことばっかり口走ってるわけ本当!
ほら見ろエースがキョトンとした顔で私を見ているじゃないか!

終わった。こんな可愛くない女はエース嫌いだよきっと。
ガーンと落ち込んで地面を見つめていると予想外にもエースの笑い声が聞こえてきた。

「あー、悪ィな お前が面白くてつい笑っちまった」

「面白いって…!」

一体何が!?どこが面白かった今の会話!
理解が追いつかない私をそのままにエースはその場にしゃがむと私に背中を向けて顔だけ振り返ってみせた。

「じゃあお姫サマ おれの背中に乗ってくれるか?」

「しょうがないですわね…!えへへ」

言葉ではそう言いながらも私はエースの広くて大きい温かな背中にペタッとくっついた。

温かい背中にうっとり目を細めているとエースの背中が揺れた。

「プッ」

「エース?何を笑ってるんですの?」

「や、お前おぶられるの心底嬉しそうなのが見え見えでよ。ブハッ!本当おもしれェ!」

「〜っ!!う、うるさいわよ!嬉しいだなんて思ってないですわ!」

「うそつけ お前"えへへ"って声に出して笑ってたぞ」

それもすげェ嬉しそうにな。と言ったエースに顔が真っ赤になる。私そんなこと言ったっけ!?
そりゃ大好きなエースにおんぶしてもらえるんだから嬉しいよ!すいませんでしたね変なところで素直で!

「もう!そんなことはいいから早く進んでくださいまし!」

「ハイハイ エレナ姫の仰せの通りに」

茶化しながらそう言ったエースは私を背に抱えながら立ち上がった。およよ!エースの手が私の太ももに!!

少しばかりドキドキしているとなぜかエースが立ち上がったまま動かない。え?どうしたの。もしかして重いとか!?

「エース…?」

「……」

呼びかけても返事が返ってこない。本当にどうしたのだろうかと不安になりながらも私は手をエースの顔の前でフリフリと振ってみる。

「エース どこか体の具合でも悪いんですの?」

「あー…いや 悪くねェよ…」

「?変なエース」

不思議そうに首を傾げるエレナと、エレナを背負ってからどこか歯切れの悪いエース。

実はこの時エースの顔は真っ赤に染まっていたのだ。そんなエースに気づかなかったエレナは知らない。

なぜエースが固まったのか。それはゲスな話、エレナをおぶった際に背に当たる柔らかな二つの感触にいち早く気づいてしまったからである。

見た目が大人びて見えてもまだまだ子供だと高を括っていたエースは不意打ちのラッキーハプニングに思わずフリーズするのであった。

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