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「変な気ィ使うんじゃねェよアホンダラ!!ダチの国が滅びそうって時に助けてやれねェようじゃナワバリの意味がねェだろうがよ」


「そんな事はないのじゃもん。お主の海賊旗のお陰でどれ程魚人島が平和を保っていられるかはわしが一番知っておる」


ーーー!!やっぱり原作とは話の流れが変わってるんだ!まぁ頂上戦争で死ぬはずだった白ひげさんとエースが生きてるから当然と言えば当然なんだけど…。

原作では2年後編はビッグマムのナワバリになってる魚人島だけど白ひげさん死んでないから当然ビッグマムの旗は立ってないし、かと言って今回ホーディ達の手から魚人島を救ったのは原作通りルフィ達。


そのルフィ達が魚人島を救った後、ビッグマムのやり方に腹を立てたルフィがこの国は麦わらの一味のナワバリにするって宣言してたけど、そこは一体どうなるんだろうか。まさか白ひげさんとナワバリ争いなんかするはずもないだろうし…。


「エレナ」

「…でもルフィが魚人島をナワバリにしないと後々支障が…いや、というかビッグマムとルフィは一体どうなって…」

「(ビッグマムとルフィ…?)おいエレナ!」

「うひゃいっ!!…ってエース!ど、どうしたんですの?」


やばかった、今後の流れを考え過ぎて一瞬精神の世界を彷徨ってた。いやでも状況を把握しておく事は大事よ。白ひげさんとエースを救えた事が一番大事だけど、原作ファンからしたら原作も大事だもん。

なるべく原作通りに事が進んで欲しい。なら私にできる事は出来る限りやっておきたいのだ。


「どうしたもこうしたもねェよ。さっきまで楽しそうに蛤食ったりバカ笑いしてたのに急に黙り込んだかと思えばしかめっ面したり変な事言ったり…どこか具合でも悪いのか?」


言いながら流れるような手つきで私の額に手を当てるエースに私の心拍数が急激に早くなった。いや待ってエースさん、貴方いちいち行動がイケメンすぎる…!そんなカッコいいお顔で心配そうに覗き込まれてプラスアルファおでこに手を当ててくるなんてな…!!そんなことされてオチない女はいないぞ?全く罪深い男だ。


「だ、大丈夫ですわ。心配してくれてありがとうございまし」


「そうか?ならいいんだけどよ。お前にとっちゃこの宴も、おれ達と航海してる事も多分これから航海していく中で起こる全てが初めての事ばかりになるだろうから負担も大きいと思うんだ」


「エース…」


「何不自由ない天竜人から一気に海賊暮らしだ。そりゃしばらくの内は慣れねェ事が多いと思う。だからよエレナ、何か困ったことがあったらすぐおれを頼れ!どんな小せェ事でもいいから」


「で、でもそれではエースの負担になってしまいますわ」


「バカ おれはいいんだよ。お前がいるだけで嬉しいんだ 負担になるはずがねェ」


「へ…」

ちょ、ちょっと待って!!わ、私が!いるだけで!嬉しい!?はぁあん…何その殺し文句…!そんなの私の方が嬉しいに決まってるじゃない!これまでに何度私の心臓が胸キュンで心配停止寸前に陥ったか…。


「これから先もお前が見たことねェような面白ェ国とか島がいっぱいあるんだ。そこを一緒に見て回ったら絶対楽しいだろ?」


「はい…きっととても楽しいですわ…!私だってエースが一緒にいるだけでとても嬉しいです。だから冒険しながらなんてもっと楽しいに決まってますわ」


私は頭の中に数々の妄想を膨らませた。エースとシャボンディ諸島でボンチャリを漕いだり、冬島で雪だるまを作ったりかまくらを作ったり…ひょっとしたら冒険中のルフィ達と出会ったり、記憶が戻ったかは分からないけどサボと再会する事ができたり。

きっとその冒険の中で楽しい事が沢山出てくるはず。なんせ大好きなエースがそばにいるから。


「へへ、だろ?エレナならそう言うと思った!よし、特別に高そうな箱からナイショで取ってきたこの菓子お前にやるよ」


「え、いいんですの?エースが食べたかったんじゃ…」


「いーんだよ!初航海って事でその記念だ」


「なら有り難く頂きますわね!」

私はエースから受け取った水色のりんごのような形をしたお菓子を見つめた。魚人島のお菓子は色は奇抜なのが多いけどビッグマムが気にいるのも納得なほど美味しいお菓子が多い。


高そうな箱に入ってたなら余程美味しいのだろう。エースが見守る中、どんな美味しいお菓子なのだろうかと期待を込めて私は一口でそれを口に入れた。

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