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「ごめんなさいエース!わ、わたくしさっきはとてもむしゃくしゃして八つ当たりなんてみっともない事してしまいましたわ…!いつもこんなわたくしに優しくしてくれるエースに酷い事を…っ」

「おい待てエレナ!一旦落ち着け な?」

エースの顔を見てたらどうしてかぶわっと涙が溢れてきて、そんな私を見たエースがギョッとしながら私の肩に手を置いて落ち着くように頭を撫でてくれる。


「わ、私!何回でも謝りますから嫌いにならないで下さいませ…!エースに嫌われたらわたくし、わたくし…っ!」

「お、おい一体何の話してんだ?話が読めねェんだが」

「だっ!だっでエースはわたくしに酷いこと言われたからっ…!嫌いになってわたくしを避けてこんな所まで来たんでしょう…っ」

「なっ…!バカヤロウ!あんな事でおれがお前を嫌いになるわけねェだろ!お前の中のおれはどんだけ器の小せェ男なんだよ」

私の視線の高さに合わせて顔を覗き込んでくるエースの真剣な眼差しにこんな状況にも関わらず胸が高鳴る。

「それにな おれはお前に何をされても嫌いにはなれねェよ」

「…本当?」

「ああ バカみてェな話だがお前が何をしてても可愛いく思えてきちまうんだ。笑えるだろ?」

そう言って笑ったエースの顔に胸が締め付けられる。

か、可愛いって!?だめだめ!ここで舞い上がっちゃ!!エースは妹みたいで可愛いって言ってるに違いないんだから!勝手に浮かれて落ち込むなんて事になるのは私のガラスのハートのためにも避けなければ。

今はこう言ってくれてるだけでも十分なんだ。照れ臭そうなエースの顔を見れるだけで、今は。

「わたくしも…」

「ん?」

「わたくしもエースがどんな事をしててもカッコよく見えてしまいますわ」

私の場合すでに出会った頃からどんなエースもかっこいいと思えてしまうのだからタチが悪い。

「!」

「フフッ!そう考えるとわたくし達とても似た者同士なんですのね」

「あァ…そうだな」

兎にも角にも嫌われている訳じゃなくてよかった。私は嬉しくてもう一度エースに抱きつくとすりすりとそのたくましい体に頬を擦り寄せた。
温かいエースの体温にとろんと目がとろけそうになる。

いつもなら私が抱きつけば背中に手を回して抱きしめ返してくれるエースなのだがどうしたのか今日は抱きしめ返してくれない。

不安になった私はパッと顔を上げてエースを見つめた。見つめたはいいんだけどーー

「バッ!こっち見んな!」

「エ、エース?」

「…今のおれ ぜってェダセェ顔してるから」

一瞬見えたエースの顔はまるでリンゴのように赤く染まっていて。こ、これはもしかしてもしかしなくてもエースの照れ顔だよね!?直ぐに手で目隠しされて一瞬しか見えなかったけど間違いない。

くうっ!見たい。もっと見たい!エースの照れた顔が!!

「ダサくなんてないですわ!わたくしエースのお顔が見たいんですの。ね、だから手をどけて下さいまし」

「ダメだ 絶対どけねェ」

私の目元を覆っているエースの手をどけようとしても力の差がありすぎてビクとも動かない。

「卑怯ですわよエース!こんなか弱いレディと力比べなんて…これじゃエースの照れたお顔が見れませんわ!」

「だーっ!みなまで言うな!見られたくねェモンはしょうがねェだろ!」

くっしぶとい!なら最終手段だ!

「う…っうぇぇえん!エースが意地悪しますわぁ!!」

「おいっ!何も泣く事ねェだろ!?って…!!」

カシャ!

「えへへ!隙あり、ですわ!」

泣いたふりをすればエースが慌てて私の目を隠していた手をどける。それを見計らって服の中に隠し持っていたカメラをスタンバり、私はまだ赤いエースの照れ顔をピントに合わせてシャッターを切った。

「お前な…!ったく…泣いてなくてよかった」

そう言って安堵したような表情を見せるエースにきゅるるんと私のちっぽけな心臓が飛び跳ねる。

それは反則。うん、反則。私ったらびっくりするほどチョロいもんだから一瞬でKOされちゃったよね。

私がマヌケ顔でポーッとエースを見つめていると再びカシャッとシャッターを切る音が聞こえて我に帰る。

「あっ!わたくしのカメラ!」

「おう ちょっと借りたぞ」

「借りたじゃないですわよ!今わたくしを撮りましたでしょう!?」

「心配すんな!可愛く撮れてる」

カメラを持ちながらニカッと輝かしい笑顔を向けてくるエースに言葉に詰まる。またこの男は軽々と可愛いとかいう言葉を口にして!!私じゃなかったら勘違いして大変なことになってるよまったく!

カシャ!カシャ

「ちょ、ちょっと何枚撮ってるんですの?それ以上は有料ですわ!」

「ハハッ すまんすまん。可愛くてつい撮っちまった」

「……っ!!」

ダメだ、この男マジで危険すぎる。私今日で何回死にそうになったよ。
このままここにいてはいつキュン死で殺されるか分かったもんじゃない。

私はクルッとエースに背を向けて脱兎の如く走り出した。逃げろエレナ。ここにいてはまずい。と脳が語りかけていたのだが結局数秒で私はエースに捕まった。ちょっとは手加減しよう?

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