08
 
「暑いぃ…」

ハンニャバルめ、少々暑いどころじゃないじゃないか!もう私溶けそう…。こんな汗かいたの生まれて初めて。

地下4階に着き、暑すぎてのぼせてきそうになったところ、首筋にヒヤッとした冷気があてられて私は後ろを振り向く。

「クザン!」

「ん。暑いんでしょ?無理しないの」

能力で私を涼しくしてくれるクザン尊い。この暑さの中これは本当にありがたい!もうクザン大好き。天竜人の私にこんなに優しくしてくれるなんてきっと前世は仏様ね。

「ありがとうございます 優しいんですのね」

「横で女の子に暑そうにされちゃ放っとけないでしょうが」

きゅんっ!!な、なんだなんだ!照れるじゃないか!不意打ちなんて卑怯だ。こりゃ〜クザンさんモテますねェ女の扱い方をわかっていらっしゃる。

「貴方様が天竜人ですね 署長のマゼランです!!」

「ひゃあ!!」

「ちょ、エレナちゃん」

いきなり後ろから大きな声で声をかけられて飛び跳ねた私は後ろを歩いていたクザンに反射的に抱きついた。コアラの様にクザンに抱きついて後ろから声をかけた人物を見ると声の主はマゼランだった。おお…!!めちゃくちゃ大きい

「署長のせいで天竜人殿が驚いていマッシュけど」

「ああ、これは失礼 驚かせるつもりはなかったのですが申し訳ない」

なんかこの下りさっき黄猿さんとやったような!

「ほらエレナちゃん、もう怖くないから自分で立ちなさい」

「あ、はい。こちらこそ驚いてしまってすみません 私はエレナと申します、よろしくお願いしますわ」

私がそう言うとマゼランさんはぱちくりと目を瞬かせた。意外と目がぱっちりしていてなんだか可愛いぞ…!

「か、可愛らしい!!」

「!?」

か、可愛いらしい!?可愛いらしいとはまさか私のことだろうか。…いやいやまさか!私は至って平々凡々の普通顔だ。きっとドミノさんのことを言っているんだろう。

「署長、世界貴族に向かって何を言っているんですか?」

「あ、ああすまんつい本音が!こんなに可愛いらしい天竜人が来るとは思っていなかったものでな」

ドミノさんんん!?いや、私のことだったのかぁあ!!マゼランさんの目絶対イかれてるよ。それでなくとも私はあの天竜人。憎まれはしてもそんな可愛いなんて言われるはずがない。

ってそんな私の話よりエースを早く助けに行かないと!今この瞬間にももしかしたら拷問されているかもしれないんだから!

「あ、あの!私はやくエースに会ってみたいですわ署長」

「よしすぐに行こう!」

「あらら、マゼランってロリコン?」

「それは知りたくなかったねェ〜」

早くエースの元へ行きたいと言う旨を伝えるとマゼランさんはすぐにリフトへ案内してくれた。エースの元まであと一歩。待っててね、必ず私が助け出してあげるから!

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