06
 
あれからというもの、ドレスについてあーでもないこーでもないと言い合うベビー5とジョーラを差し置いて私は自分で服を選んだ。

選んだ服はピンク色のふわふわとしたドレス。丈は膝上でヒラヒラとしたレースがとても可愛い。前世では絶対似合わないと思って着なかったけど、やっぱりこういう女の子らしい服は可愛いものだ。

熱心に私に似合うドレスを探してくれた二人には申し訳ないけどあれじゃラチがあかないんだもん。ごめんよ二人とも。気持ちだけ受け取っておく。

「でも不思議。あなたって本当に12歳?もうちょっと上に見えるけど」

「ええ 12歳ですわ。わたくし人より少し成長が早いんですの」

確かにそこを疑問に思うのも無理はない。何せこの2年で私は体だけ謎に成長してしまったから。見た目が12歳の見た目じゃないのだ。マリージョアでは特に考えることもなかったからきっと前世が何か関係してるのかな〜とそこまで気に留めなかったからよくわからないが。

まあそうなると精神年齢は12歳よりもっと上なんだよね。精神年齢も前世とあわせて成長しているのかと思えばたまに年相応ににワガママになるときもあるし、落ち着いている時もあるから何とも言えないんだけど…


「そうなのね…!でもあなたが12歳でも何歳でもファミリーに女の子が増えるのは嬉しいわ これからよろしくね!」


「はい こちらこ……」

ん?待て待て待てなんかベビー5ちゃん変なこと言ってなかったか今。

あの、聞き間違いならそれに越したことはないんだけど…。ファミリーに女の子が増えるとかなんとか恐ろしいセリフが聞こえたような気がするんだわ。

まさか私ではないよな……いやいやいや!あり得ないあり得ない。自惚れもいいとこだよ。原作では出てないけどきっとこの時期に新しくファミリーに入った子がいるんだ。そうだそうだ。

私は恐ろしい考えをぶんぶんと振り払い、気を引き締めるためにパン!と両頬を叩いた。

「何モタモタしてるんざますあーた達!若様がお待ちなんだから早くおし!」

「今行くわ!ーーほら ジョーラもああ言ってる事だし行きましょ」

「え、あの…行くってどこに…?」

「若様の所よ 他のみんなももう集まってるわ」

んんん!?"他のみんな"って誰!?どのみんな!?この話が噛み合わない感じめちゃくちゃ怖いんだけど!

何当たり前のことを聞いてんの?って顔でベビー5が私の事を見てくるけどその"若様"のとこ行くのも嫌なんだよ勘弁してよ〜!!

「こ、怖いよう…!!」

「ふふ 大丈夫よ!確かに顔が怖い連中もいるけどみんな家族には優しいから心配しないで」

そういう事じゃねェ!!!どんどん話がやばい方向にころころ転がって行ってるのが怖いの!

ていうか"家族には"のその家族の中に私も入ってるみたいなニュアンスやめて本当に心臓に悪い。

はあもう無理ちょっと前まで可愛いドレス着てウキウキしてた自分を張り倒したい。まんまとドフラミンゴの手の平で踊らされてると気付かず私ったら間抜け。本当間抜け。

そんなこんなで結局ファミリーの幹部達が勢揃いしているっていう部屋の前まで来ちゃった訳だけど……よし、逃げよう。

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