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「オイ何のつもりだそりゃあ」

首から下げていた小刀を抜き取るミホークを見てゾロの目つきが鋭くなる。そんな様子をウィルはミホークの船の椅子に座りながら見ていた。

「おれはうさぎを狩るのに全力を出すバカなケモノとは違う。多少名を上げた剣士がいたところでここは”赤い土の大陸レッドライン”と”偉大なる航路グランドライン”により四つに区分される海の中でも最弱・・の海、イースト・ブルー。あいにくこれ以下の刃物は持ちあわせていないのだ」

「人をバカにすんのもたいがいにしろ…!!ウィルの知り合いだか知らねェが死んで後悔すんじゃねェぞ!!!」

「井の中の吠えし蛙よ 世の広さを知るがいい」

「鬼!!!斬り!!!!」

ガキン!!

「………!!!」

「ゾロ…?」

「…(当然の結果だろうな)」

「アニキの”鬼斬り”が止まった!!!」

「出せば100%敵が吹き飛ぶ大技なのに!!」

三本の刀を小刀一つでいとも容易く受け止められ、ゾロはこの現状を受け入れられず目を大きく開いて動きを止めた。

「(う…動かねェ 何をしやがったんだ!?見切った奴すらいねェこの技をあんな玩具で…こんな……バカな事があるか………!!!そんなわけねェよ…いくら何でもこんなに遠いわけねェ…!!!世界がこんなに遠いハズはねェ!!!)」

再び刀を振るうゾロの一太刀一太刀を全て受け止めながらミホークは横目で傍観しているウィルに目を移した。

「(お前が仲間と呼ぶ男はこの程度か。何がぬしをそこまで駆り立てる?)」

ガキン!!

「うわっ!!(………この距離はねェだろう!!この遠さはねェだろう!!!)」

「ウソだろう兄貴!!!本気を出してくれ!!!」

「アニキィ!!!」

「なんと凶暴な剣か………」

「(ミホークとの圧倒的な力の差を感じても諦めないとは…存外資質はあるようだな)」

いずれ海賊王になるルフィのそばに置いて不足はない。

「何を背負う。強さの果てに何を望む 弱き者よ……」

「!」

「アニキが弱ェだとこのバッテン野郎ォ!!!!」

「てめェ思い知らせてやる その人は……」

「やめろ手ェ出すなヨサク!!ジョニー!!!ちゃんとガマンしろ…!!!」

「ルフィ…」

ゾロの元へ飛び出して行こうとしたヨサクとジョニーをルフィが押さえつける。それを一瞥していたウィルは右手を額に持って行き、顔を下に向けながら弟の成長を感じて口角を上げた。

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