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「ウソップ ゾロは無事か!!?」

「無事じゃねェよ!!でも生きてる!!気ィ失ってるだけだ!!」

「アニキい」

「アニギ返事してぐれえ〜〜〜っ!!!」

ス……!

「え…アニキ…!!?」

「ゾロ?」

気絶していると思われていたゾロが空に向かって剣を立てた。その様子に周りが驚く中、ウィルはじっとその様子を見ていた。

「…ル…ルフィ……ウィル…?…聞…コえ…るか?」

「ああ!!」

「うん」

「不安にさせたかよ…おれが………世界一の…剣豪くらいならねェと…お前らが困るんだよな………!!!」

「アニキ!!もう喋らねェでくれ!!」

「アニギ!!」

「おれはもう!!二度と敗けねェから!!!!あいつに勝って大剣豪になる日まで絶対にもう おれは敗けねェ!!!!」

「…!」

「文句あるか海賊王!!ウィル!!」

「しししし!!ない!!!」

「おれもないよ」

「いいチームだ。ウィル、ぬしが見込んだ男達の成長、おれも見させてもらおう」

「ああ。手配書になるのもそう遠くはない」

「そうか、楽しみにしておこう…」

もうこの場に留まる理由はないと船に戻るミホーク。それを目で追っていた時だ。

「オウ鷹の目よ……!!てめェはおれの首を取りに来たんじゃねぇのか。この東の海イーストブルーの覇者”首領ドン・クリーク”の首をよ!!」

「そのつもりだったがな もう充分に楽しんだ オレは帰って寝るとする」

「まァそうカテェこと言うな てめェが充分でもおれはやられっぱなしなんだ お前もだ太陽と月を追う狼スコルハティ!!」

呼ばれた名にウィルはクリークに視線を向けた。その瞳には一見分からないものの、驚愕の色が映し出されていた。

今のゾロとの戦いを目の前で見ても尚、ミホークに立ち向かっていこうとするその度胸にウィルは驚愕せずにはいられなかった。

「…(一体なんなんだ、こいつは)」

死にたがりなのか、一言で馬鹿と言いくるめられるようなものでもない。まさかミホークに勝てるとでも思っているのだろうか。いや、まさかな。とウィルは無言を貫く。

「ど…ど ど首領ドン…!!」

「な な…何でわざわざあいつを引き止めるんだ」

太陽と月を追う狼スコルハティにまで…!」

「帰る前に死んでいけ!!!」

「さすがだな 懲りぬ男よ…」

「ミホーク、行け。ここはおれがやる」

「世話をかけるな。また会おう」

銃を連射するクリークに見向きもせず、ウィルは早々に出航したミホークを見てからようやくクリークに向き直った。

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