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一応ウソップの様子を見に行こうと見聞色を使ってウソップのいる方角へと歩いて行く。

「下等な人間が!!!おれに何をしたァ!!!!」

耳覚えのある声にウィルは前方を見る。そこには屋根の上にいるウソップを血走った目つきで睨みつけるアーロンがいた。

「うわああああああ」

「アーロンさんちょっと待て!!また村を消しちまう気か!?」

「さっきの人間の事で怒りが収まってねェんだ!!」

「あの男はしょうがねェ アーロンさん!あいつは
太陽と月を追う狼スコルハティ”だ!」

「いくらアーロンさんでも48億の賞金首に敵うわけがねェ!そもそもの桁がちがう!」

「48億の賞金首だろうと知ったことじゃねェ このおれを見下し、生意気な口を聞いた!!おれ達は”至高の種族”だぞ!!!」

ドゴォン!!!

「(ウソップは…)」

なんとか屋根にへばりついていたウソップに追い打ちをかけるように魚人が声を張り上げる。

「まだ生きてるぞ 追え!!!逃すな!!!」

「とっ捕まえてブチ殺せ!!!!」

怒り狂ったもはや理性のない状態のアーロンを同胞達が二人掛かりで抑える。その状況を村の上空から見下ろしながらウィルは次にウソップを目で追った。

「どゥああああああああ!!!!」

「待てテメェ!!!!」

「必殺!!”卵星”っ!!!」

「うっ!!く くせェ!!卵だっ!!腐ってやがる!!」

「き……効いたか……!!」

「野郎ォ!!!」

「っおおおお!!!!」

「……ハァ」

まるでコントを見ているかのような戦いっぷりにウィルが溜め息をつく。手助けをしようと思えば出来ないこともないがウソップはジョニーと共にゾロを見捨てた。

それを思い出し、死に物狂いで逃げ回るウソップを眼下にウィルはその場から姿を消した。




ウィルがアーロンパークに戻ると先ほどアーロンが座っていた椅子に座るゾロを見つけた。辺りには魚人達が倒れている。

「ゾロ」

「ウィルか 早かったな」

「ああ。それはそうと、ナミはどうした」

「ん?ああ、あいつか。あの半魚野郎が来る前に逃げろって言われてな お前、これが知りたかったんだろ?」

「ルフィの仲間になる人間に中途半端な奴がいてもらっちゃ困るからな」

「ったく お前はルフィの事になると過保護だな」

「そうだな おれはルフィにはつい甘くなってしまう」

「弟なんだろ?ルフィみたいな奴には甘くなっちまうのもしょうがねェのかもな」

「これから仲間も増えるわけだ おれがあいつを甘やかしてばかりいられない」

「そりゃそうだな」

「たまにでいい、協力してくれると助かる」

「ま、副船長の頼みなら仕方ねェか」

「だから副船長じゃない 」

ニッと笑ってそう言うゾロにウィルが少し眉を顰めて言い返す。

エースやサボは自分にとっては兄だったが故、甘やかすなどといった事はなかったがルフィは弟。幼い頃から甘やかす癖がついてしまったがこれからはそれを直していかなければならない。一船の船長が自分に甘えてばかりだと示しがつかないというウィルなりの考えだった。

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