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「何だ 今のラッパの音は………」

「さあ」

「っかシーな!!あのヤロー!!ブタの丸焼きはあいつの好物なのにな!!もうメシ済ませちまったのかな!!おれが食っちまうかな!!」

突然聞こえたラッパの音にゾロとウィルが揃って顔を見合わせていると近くにタコの魚人がいた。

「お前か…ラッパ吹いてたのは」

「ニュ゛!!!」

「タコ」

「誰だてめェらは!!おれか!?おれの名ははっちゃん!!ハチとそう呼んでくれ!!!」

「お前も魚人なのか」

「…どう見ても魚人だろう」

「モチよモチ!!艶かしいタコの魚人よ!!お前らは見たとこ人間だな!!海兵か!?客か!?」

「客?…まァ客だな」

「そうか客なのか!それにしても綺麗な顔した男だなお前 羨ましがられるだろ!」

物珍しそうな顔でハチが目を丸くしてウィルを見つめる。

「おれは腕が6本ある方が羨ましい」

「ニュ!?だろ!兄ちゃんわかってるじゃねェか」

「腕6本も何に使うんだよ」

「何かと便利そうだろ」

ハチの6本の腕を見てそう答えるウィルにゾロが微妙な顔をした。クールな性格をしている割に今のような発言がちょくちょくある為ペースを崩される。

「しかしお前ら 今アーロンさん居ねェだろ」

「あァ居ねェ どこ行ったんだ」

「何でも鼻の長ェ他人者が逃げ回ってるらしくてよ もう一人はここに捕まえてあるって話だが そいつを捕まえにココヤシ村へ行ったぜ!!」

「(ウソップか…とりあえず助けといてやるか…)その村へはどう行けばいい?」

「行くのか」

「?ああ」

「乗んな!!客だろ!!送ってくぜ!!!」

大きな蛸壺を指差しながら言うハチにゾロとウィルは断る理由もない為、蛸壺に乗る。随分とフレンドリーな魚人に連れられて二人はココヤシ村へ向かう。

そして数分後ーー

「おう!!着いたぜ!!ココヤシ村だ!!アーロンさんもいるハズだ!!」

「ああ ありがとう」

「すまないな、礼を言う」

「いいってことよ!!達者でな!!また来いよ!!じゃあな!!」

「………おう…変な魚人だ…」

「憎めない顔の魚人だったな」

「確かにな あいつが言うにはこの村にあのギザッ鼻も来てんのか…まーいい…ひとまずウチの長っ鼻を探すか」

「目星はついているのか」

「適当に走ってれば見つかるだろ」

「そうか 悪いゾロ、用事を思い出した 一人で探せるか?」

「おう こっちの事は気にすんな」

「悪いな 頼んだ」

再会したばかりだというのにまた逸れることになったゾロとウィル。ウィルがこれから向かう先はアーロンパーク。ウソップの居場所は既にわかっているのだがゾロには敢えてこのココヤシ村でウソップを探してもらう事にする。

理由は簡単で、ミホークにやられた傷が癒えていないままのゾロとあの数の魚人相手では分が悪いからだ。

ウソップの状況が本当に危なかったら助けるが彼にも戦う気力を見せて欲しい物だ。

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