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「コイツは根っから性の腐った外道だったんすよ!!!兄貴達はずっとダマされてたんだ!!!ウィルの兄貴が助け出したのは知らなかったがこの女がウソップの兄貴を刺し殺そうとする所をおれはこの目で見た!!!」

「…だったらなに?仕返しに私を殺してみる?実際にウソップを殺してもない私を」

「……なに!!?」

「一つ教えておくけど今”ロロノア・ゾロ並びに太陽と月を追う狼スコルハティとその一味”をアーロンは殺したがってる ゾロもそうだけどウィルがあいつの逆鱗に触れるようなバカなマネをしたからね」


「え!何したんすかウィルのアニキ…」

「なんてことはねェよ ウィルがあの半魚野郎より上だった ただそれだけだ」

ジョニーが一体アーロンの逆鱗に触れるなど何をしたのかとウィルを見つめる中ゾロがそう答える。

「いくらあんた達の化物じみた強さでも本物の”化物”には敵わないわ」

「いや、本物の化物ならここにいるだろ…」

そう言っておずおずとウィルの方を指差すウソップにルフィが言い返す。

「おいウソップ!ウィルは化物なんかじゃねェ!いくらお前でもウィルを悪く言うと怒るぞ」

「すまん 今のは言葉の綾ってやつだルフィ!でもそれだけでそんな怒ることねェだろ?」

「いや 今のはお前が悪い。誰だって兄貴を化物扱いされたら怒るだろ」

ゾロがそう言えばウソップは言葉を詰まらせて黙り込んだ。大して気にしていなかったウィルだったがどうやら”化物”という単語はルフィの癇に障ったらしい。

「そういえばウィル、あんた治療しなくて大丈夫なの?痛むんじゃない?私が刺した右手」

「……」

「右手?右手がどうかしたのかウィル」

「そ、そうだった!!いいかよく聞けお前ら!コイツに刺されそうだったおれを庇ってウィルが怪我したんだ」

「「「怪我!!?」」」

「ウィルの兄貴がケガするなんて 一体どうしたんすか!!」

「あの魔女!ウソップの兄貴にとどまらずウィルの兄貴にまで!!」

「私を悪者扱いしないでくれる?しょうがなかったのよ ウィルがバカみたいに間に入ってくるから」

ナミは鼻で嗤い、挑発する様な目つきで彼らを見てから続けた。

「ま、あんた達の貴重な戦力が負傷すのはこっちとしてもいい収穫だったわ」

「てめェ…!じゃああれだけウィルにべったりくっついてたのはなんだったんだよ!!」

「普通に考えたら分かるでしょ?規格外に強い上に顔がいいから私のボディーガードにしてただけよ そもそもあんた達に近づいたのはお金のため!!今の一文なしのあんた達なんかには何の魅力もないわ!!!」

「あの魔女…!!」

「船なら返すから航海士見つけて”ひとつなぎの大秘宝ワンピース”でも何でも探しに行けば!?さっさと出て行け!!目障りなのよ!!!さようなら」

ウィルにはナミの言葉全てがルフィ達を巻き込みたくないという思いが込められているように感じた。普通に考えればメリー号はそれなりに値の張る船で、それを売ればそれなりのお金が貰えるはずなのにそうしない。

ということは考えられることは一つだ。そこまで考えてウィルはルフィの方を向く。すると何を思ったのかルフィがその場に寝転んだ。

「え…ルフィの兄貴!?」

「どうした ルフィ」

「ねる」

「寝るゥ!!?この事態に!!?こんな道の真ん中で!!?」

「島を出る気はねェし この島で何が起きてんのかも興味ねェし…ちょっとねむいしねる」

「は!?」

「お前は本当に破天荒だな ルフィ」

「ウィルもねるか?」

「いや 遠慮しとく」

ルフィの態度に怒りが頂点に達したのかナミが声を張り上げて怒鳴る。

「…勝手にしろ!!!死んじまえ!!!」

捨て台詞を吐いてその場から去って言ったナミを見届けるとウィルはその場で寝るルフィを見てやはり一味違うな、と再確認した。

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