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島に近づくと見知った4人がちょうど崖から飛び降りてる様子が目に入った。集団自殺…なわけないよな。
「おーいゴン!キルア!クラピカ〜!何でお前ら飛び降りてるんだ?」
「え、レン!?レンって空飛べるの!?」
「レン!どこ行ってたんだ…ってヒソカと妙な気持ち悪い奴も一緒かよ」
「私達は今クモワシの卵を取りに来ている!次のお題がゆで卵だからな」
「なるほど、お前達についていけばおれ達も卵をゲットできるってわけだな?」
「ああ、その通りだ」
「おい!てめーレン オレを無視するんじゃねーよ!」
「あ、レオリオいたのか。気づかなかったよ」
く〜っ!!と悔しそうに歯をくいしばるレオリオを放置し、私は両脇にヒソカとイルミを抱えながらゴン達について行く。まぁついて行くと言うより落下するというのが正しいか。
「今年も不合格になるところだったけどレンのおかげで不合格は免れそうだよ◆」
「カタカタカタカタ…」
「そりゃよかったな…てかギタラクル、そのカタカタカタって何だよ!容姿に増して不気味だぞ」
「そこは突っ込んじゃ駄目だよ◇だろ?ギタラクル」
尚もカタカタ言いながらコクンと頷いたギタラクル。この奇抜な容姿なら普通に喋ってもキルアにはバレないと思うんだけどな。
「レン!これだよ!」
「お!見つかったか?卵」
「ああ!こちらに来てみろ」
「レンが来るってことはあいつらも来るんだよな…いっそソイツら落としちまえよ」
「おや ヒドイ言われようだ☆」
「だ、大丈夫か?ギタラクル あんなこと言われてるけど」
「カタカタカタ」
グッと親指を突き立てるギタラクルにそこはもう喋れよ!と突っ込みたくなる。キルアにあんなこと言われたら弟大好きなギタラクルはショックを受けるのかと思ったが私の考えとは裏腹に奴は眉一つ動かさなかった。
「よし、ヒソカ!ギタラクル!卵取ってくれ おれの分も忘れずにな」
「キミの頼みなら悦んで◆」
「カタカタカタ」
ヒソカとギタラクルが無事に卵を取ったのを見届けて私は上空に向かって急上昇する。
「少年たちよ、先行ってるな!教えてくれてありがとう 助かった!」
「うん!うわ〜やっぱりレンはスゴイなぁ ね、キルア!」
「空飛べるなんて反則だっつーの しかも両脇に変なの抱えてるし」
「奴らを抱えて飛んで来たのを見るに何かあったんだろう」
「あいつあんなヒョロッとしてるクセに2人も抱えて飛んでいきやがったぞ 見た目に反して怪力ってか」
「そのようだな レオリオを二次試験会場まで運んでいる時も疲れた様子を見せなかった そう考えるとかなりの実力者なのだろう」
「ま、ありゃ相当強いぜ」
残されたゴン達が口々にそう言ってるなど露知らず、レンは受験者が集まっている崖上に到着するとヒソカとギタラクルと共にとってきた卵を茹でたのだった。