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「ゴンとキルアは見当たらないしクラピカとレオリオは寝てるし 暇だな〜」

「だからこうしてボクがいるじゃないか★」

「誰がお前を呼んだよ むしろ近寄るな」

「キミの照れた顔も可愛いね◆」

飛行船はまだ目的地に着かない。
私はいつまでこの二人と一緒にいなければならないのか。私のどこをどう見て照れてると感じたのかわからないがこの変態、恐らく頭のネジが何本か外れていると思われる。何も楽しくないのにいつ鼻歌を歌い出してもおかしくないほど上機嫌に笑っているのがいい証拠だ。

「なぁ、そういえばさっきからゾルディック家って言ってるけど それ何なんだ?」

「ん、ああ ゾルディック家は暗殺者一家のこと オレがそこの長男なんだよね」

「へーじゃあギタラクルは暗殺者なのか?」

「うん」

「ゾルディック家と言えばかなり有名なんだけどね◇本当に知らなかったのかい?」

「ああ 初めて聞いたよ にしても暗殺か」

「なに 軽蔑した?」

「いや、してない。暗殺者一家なんてモンより酷いのなんて世界に山ほどあるからな」

「意外と物知りなんだね」

「そうか?生きて行く上で必要最低限の知識だと思うがな」

それなりに世界の情勢を把握していたつもりだったが私の知識はまだまだ甘かったようだ。

「レンがゾルディックになればキルも喜ぶと思うよ」

「くっ汚い手を使うな、ギタラクルよ!だがしかし断る おれはそんな面倒事はごめんなんでね」

「面倒?オレと結婚して子供作るだけだよ 簡単でしょ あ、でも子供はいっぱいいるに越したことないよね」

「は、はぁ!?子供作るって!!そそ、そういうことをサラッと言うんじゃねーよ」

「?照れてるの」

「バーカバーカ!照れるわけねーだろ!とにかくおれは自分のやりたいように生きる!」

「ゾルディック家に来たら何不自由なく暮らせるよ それこそ遊びたい放題だし」

「だから…っ!?」

なかなかしつこいギタラクルに身を乗り出して講義しようとしたところ、私の腕をヒソカが引っ張った。

「おい、なんの真似だ」

腕を引っ張られギタラクルの元からヒソカの膝の上に乗せられ、向かい合う形で見つめられる。

「ん〜 やっぱりボク以外に尻尾振らないよう シルシつけておいた方がいいのカナ◆」

「ど、」

どういう意味だよ、と言おうとした途端首筋に鋭い痛みを感じた。

「…っ、いたっ…!ちょ!はな…、ひぃっ!!」

なんなんだコイツ、私の血でも吸う気か!?実は吸血鬼なのか!?私は慌ててヒソカの髪の毛を掴んで引き剥がそうとするも中々離れない。

その間にもヒソカは私の首に吸い付いていて、一瞬唇を離したかと思ったらペロリと吸い付いた部分を舌で舐められた。
毎度お馴染み、ゾワッと全身の毛が逆立つ。

「…っなにするんだ!」

「安心して ボクのモノっていうシルシをつけただけだけさ◆」

「それのどこが安心だ!テメー、おれを何だと思ってやがる!」

「ボクの可愛いオモチャ★」

正直首なんて鍛えたことがないからかなり痛かった。本当に血を吸われるのかと思ったほどだ。この痛さだと痕がつくのも時間の問題だろう。

人の気も知らずニヤニヤと笑いながらオモチャだとかふざけたことを抜かす変態野郎にかなり腹が立って私はヒソカの胸ぐらを掴んで思い切り引き寄せた。

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