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「おいヒソカ!ふざけんな!お前だけで行けばいいものを何でおれまで連れてきた!?」
「一人じゃ物足りないからさ◇レンがいれば楽しいカナと思ってね◆」
「そんな理由でおれを…!あーあ、こんな事になるならゴン達と行きたかった」
「ボクとじゃ不満かい?」
「これが満足してるような顔に見えるか?」
「ん〜キミはどんな顔をしてもソソるからね それこそ本当は今ここで滅茶苦茶に壊したいくらいなんだけど◇」
「…っ!(キモい!目がイッてる)」
「でもダメダメ もっともっと食べるのがもったいなくなるくらい美味しく実るまでのガマン…◆」
また何か変態スイッチが入ってしまったようだ。その証拠にどこに視線を向けてるのか分からない程目がイッちゃってる。怖い、マジで怖い。なんでここにギタラクルがいないのか!もうこの際誰でもいいから仲裁役来てくれ。
「こう見えてもボク、ガマンするのには慣れてるんだ☆」
「知らねーよそんなの!聞いてねーしこっち向くな気持ち悪い!」
相変わらずの気持ち悪さに条件反射の如く悪態を吐くと腕に何かひんやりとしたモノが触れた。
カシャン
「……おい」
「なんだい?」
「冗談よせよ コレ外せって」
「ダーメ ボクとレンは一心同体だからね◆」
「じゃあ力ずくで壊すまでだ」
知らぬ間に右腕に付けられた手錠。もう片方はヒソカの左腕に繋がっている。冗談じゃない、と私が手錠を壊そうとするとジジジ…という機械音と共に男の声が密室に響いた。
”一つ忠告をしよう。その手錠は君達二人がトリックタワーを合格するにおいて必要な枷。それを壊した時点で即失格とみなす”
「はぁ!?これのどこが必要な枷だ!ふざけるな!こんな変態と一緒なのも嫌なのに何が嬉しくてコイツと手錠なんか…!」
”壊す壊さないは君達の自由。ただし壊した時点で即失格となり試験続行が不可能となる。よく考えてから行動する事だ。では健闘を祈っているよ”
「こんのクソ試験官がぁあ!!」
「クククッ!ボクはレンと一つになれて願ったり叶ったりなんだけどね◇」
「気持ち悪いこと言うんじゃねえ変態!」
「嗚呼、このままずっと繋がっていたいよ。…いっそ本当の意味で一つになるなんてどうだい?」
「死ね!!」
「イイ目だ◆キミの怒りに満ちた瞳を見るだけでゾクゾクしてくるよ」
「おれはお前のその変態を絵にしたような顔見てるだけで寒気がするぜ」
「褒め言葉として受け取っておくよ◇」
「褒めてねーよむしろ貶してんだよ気づけ」
嬉しそうに目を細めて笑う変態奇術師に寒気と共に殺意すら湧いてきそうな勢いだ。
奴のびっくりするほどのポジティブさに目眩がしそうになったが、試験クリアなんかよりもゴンやキルア、クラピカ、レオリオと言った四人とまた会いたい。
そんな思いを胸に私は渋々ヒソカと先へ進むのだった。