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「もうやめてくれ」

「いいじゃないか☆減るものでもないんだし」

「そうだよ ほらアーンして」

「減るし頭ぐっちゃぐちゃになるし腹減ってない!!いい加減お前ら散れ!木っ端微塵になって朽ち果てろ!」

なぜ私がこんなにも怒り狂っているのかと言うと、まずヒソカに髪の毛を弄られていることが一つ。そしていやに編み込みとか上手い。その他の髪のアレンジも上手い。手先が器用なのだろうが私でやるな。

そして次にギタラクル。試験官側から配給された食料を何故か私に食べさせようとする。腹減ってれば自分で食べるしそもそも顔面針だらけのモヒカンにアーンて言われて誰が口を開くか。せめて顔を元に戻せ。

「わがままだなぁ そんなんじゃ健康な子供産めないよ?」

「安心しろ 間違ってもお前の子供を産もうなんて思わない」

「そうだよ レンはボクの子を産む予定だからね◆」

「死にさらせ気狂いピエロ」

「最初は女の子がイイな◇もちろんキミ似のね」

「お前らおれの話聞いてるか?」

「ボク達二人の子供は可愛いだろうね 今から楽しみだよ☆」

「ヒソカの遺伝子継いだら高確率で変態になるよ」

「失礼だな レンとボクの子が変態になるわけないだろ?」

「マジでお前らいっぺん黙れ 二度と口を聞けないようにしてやろうか?」

「キミの唇で塞いでくれなら喜んで◆」

「ヒソカ さすがに気持ち悪いよ」

「もっと言ってやれ」

ヒソカの気持ち悪さに磨きがかかっている気がするのは気のせいだろうか。ギタラクルでさえちょっぴり引いている。

「てかよ、あと60時間以上あるぜ?その間ここでどうしろってんだよ」

「ひたすら待つしかないんじゃない」

「恐らくね◇」

「はぁ…」

「ところでレン 一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

「ん?なんだ許容範囲であれば答えるが」

「キミのスリーサイズを」

バキィッ!!

「冗談だよ◆」

ヒソカの顔スレスレ。壁に拳をめり込ませると変態奇術師は破壊された壁を見て降参だと手を振った。

「本当に聞きたいことはキミの容姿についてだよ◇」

「容姿?」

「そう☆なんで性別を隠しているのかなと思ってね」

「ああ 確かに。なんで?」

「あー…うん。なんでかって言われるとこれと言って理由はないんだけどさ」

「理由はない、か。まぁボクはどっちでもイケるからいいんだけどね」

「どっちのレンでもイケるって よかったね」

「オイ、お前らおれに答えて欲しいのか答えて欲しくないのかどっちだ?え?」

「もちろん答えて欲しいから聞いてるんだよ◆それで本当の理由は?」

「まぁ理由としては楽だからだな。男と思われてた方が色々と便利なんだ。その反面女だとバカにされるからな。弱いとかなんとか」

「なるほど★つまり弱いと見くびられるのが嫌だからってことかい?」

「そうだ だから口調も男みたいにしてたらクセになっちまってな」

「ふぅん。別に女の姿でもいいんじゃない?」

「は?なんでだよ バカにされるのが嫌だからって今言ったろ?」

「レンをバカにする奴はオレが殺す これで万事解決だよね」

「や、何も解決してない むしろ被害が広がってる」

「確かにイルミの言う通りだね◇キミを見下してくる奴らなんて殺せばいいんだよ なんならボクが殺してあげるからさ◆」

「イルミじゃなくてギタラクル。これもう二度目なんだけど」

こいつら目がマジだ。ギタラクルなんてめちゃくちゃ軽いノリで殺すとか言ってるしヒソカもそうか、その案があったか〜みたいな感じで話してるし本当に何なんだ。怖すぎる。

だが今のところ私はこのスタイルを変えるつもりはない。なんだか有難いような有難くないような二人の申し出をきっかり断った。

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