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「レン 起きて そろそろ時間」

「眠り姫には王子サマのキスが定番だよね◆」

「起きてる 起きてるから」

寝ていても感じ取れるヒソカの危ない雰囲気に眠い目をこすって素早く身体を起こす。やけに顔が近かったのは触れないでおこう。

「随分長い間眠ってたね◇よく眠れたかい?」

「ん。おかげさまでスッキリだ」

「約20時間寝てたよ」

そんなに寝ていたのか。でも久々にこんなに寝たかも。睡眠をとってかなり軽くなった身体に笑みが浮かぶ。

”残り1分です”

「よし!やっとこの地獄みたいな生活が終わる」

「ボクはキミと長い間一緒にいれて楽しかったけどね★」

「聞いてねーよ。しかもおれ最後らへんほとんど寝てたし」

「だからボクもほとんどの時間をキミの寝顔を見て過ごしたよ☆」

「そこは見るな」

「男の格好してるけど寝てる時は女みたいだったよ」

「寝てる時まで気を配れないんだよ まぁ大丈夫だろ」

女顔の男なんていっぱいいるし早々バレないだろう。ヒソカとイルミの時のようなハプニングさえなければ。

フゥ、と一息ついて辺りを見渡すとゴン、キルア、クラピカの三人が固まって喋っていた。よかった、合格したんだ!
変態と針野郎を置いてキルア達の方へ向かおうとした瞬間、スピーカーからアナウンスが流れた。

”タイムアップーーー!!第3次試験 通過人数26名!!”

「キールーア!」

「うわっ!」

「合格したんだな おめでとう!」

「これくらい当たり前だろ ってだから抱きつくなよ!」

「ケチくさいなー。ほらゴンもおいで!クラピカも!」

「っと、全く。私は子供ではないんだがな」

「抱き締めるのに子供も大人も関係ないだろ?」

「それは…フッ、そうだな」

「えへへ、レンってお姉ちゃんみたいだね」

「え」

お、お姉ちゃん?私はゴン少年のその発言に慌てて自分の格好を見直した。…いや、いつも通り、というかヒソカの能力で作ってもらった男物の服を着ている。

一体どこでバレた!?いや、そもそもこれはバレたのか!?とびっくり仰天しているとキルアが呆れたように声をあげた。

「何言ってんだよゴン それを言うならお兄ちゃんだろ?コイツ男なんだからよ」

「そうだった!でもなんでオレお姉ちゃんなんて言ったんだろう?」

「つい言い間違えたんだろう レンは男でありながら綺麗な顔をしているからな」

「認めたくはねーが確かに顔だけはいいからな、コイツ」

「レオリオ!」

後ろから聞こえてきた声に振り返るとレオリオがそこにいた。ついでにトンパとかいう中年オヤジもいるがそこは無視だ。奴は知らん。私はレオリオに駆け寄った。

「うおっ!お前オレにも抱きつくのかよ!?」

「これは3次試験合格おめでとうの意味とまた会えて嬉しいという意味が込められてるからな お前もそのうちの一人だ レオリオ」

「い、いきなりなんだよ 調子狂うな!ったくよ」

何故だか照れ臭そうに視線を泳がせるレオリオに思わず笑みが零れた。そして何やら視線を感じて私は顔を横に向けた。

「…げっ」

ヒソカだ。ニコニコ笑いながら私に手を振っている。怖い。あの顔は何かを企んでいる顔だ。

「レン!外に出るみたいだよ 行こう!」

「え?あ、うん!」

ゴンに手を掴まれて私は出口へと歩く。はぁ、ゴン可愛い。無邪気な少年ってなんでこんな可愛らしいんだろうかと温かい眼差しでゴンを見つめていたら何故かキルアにべしっと頭を叩かれた。何気に痛かった。

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