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「ギタラクル!?どうしてお前がここに…」

「歩いてたらレンの声が聞こえたから」

「そ、そっか」

私とキルアの目の前で足を止めて感情の読めない瞳で私達を交互に見るギタラクル。奴は私に視線を集中させ、上から下まで目を張り巡らせると口を開いた。

「その格好 どうしたの?」

「あ…これはだな、色々あってキルアに服を借りてるんだ。な、キルア」

「ああ。レン、それお前にやる」

「や、申し訳ないよ。洗って返すからさ」

「…勝手にしろ オレもう行くから。ソイツに面倒見てもらえよ。じゃ」

「ちょっとキルア!?」

何故か不機嫌そうな顔のキルアはギタラクルを目に一瞬鋭い視線を向けてから素早い動きで私達の前から消えてしまった。

なぜ急にいなくなったんだ?まさかギタラクルがイルミだって気づいたのか?

「レンって本当面白いよね」

「とても面白そうに思ってるようには見えないんだがな」

無表情で面白いよねなんて言われてもなんだかバカにされてるようにしか思えない。

「キルに女だってバレたでしょ」

「おう よくわかったな」

「まぁね 大方水浴びでもしてるとこを見られたとか?」

「ドンピシャだ!なんでわかった?」

「風呂入りたいって言ってたから。それにキルの服も着てるし」

着方おかしいけどね、と付け加えるのに対し私はぐうの音も出ない。ズボン代わりにしている青いタートルネックの事を言ってるのだろうが、これは仕方ないのだ。下に巻くものがなかったらパンツ一丁で過ごさなきゃいけなくなる。それは流石にご遠慮願いたい。

「ギタラクル、お前プレートはもう揃ったのか?」

「まだ。レンは?」

「おれはもう揃ってる 運が良かったよ」

「ふぅん ならオレに付き合ってくれるよね」

「え?マジで…」

何やらギタラクルのプレート集めに強制的に付き合わされるという話をしている最中、ガサガサッと草の擦れる音に私は耳を澄ました。隣のギタラクルもジッとある一点を見つめている。

「誰かいるな。ギタラクル、ターゲットは何番だ?」

「371」

「わかった。ーーおい!そこにいるやつ!出てこい いるのは分かってる」

「すごい悪役みたいなセリフ」

「おれも今思ったけどさ!言うなよ恥ずかしいから」

自分で言いながらちょっぴり恥ずかしくなったのを指摘されてほんの少しだけ顔が火照る。

「くっ…ヒソカではないのか」

「へ?」

茂みから突然変態の名が出てきて思わずびっくりしていると横にいたギタラクルが動き出した。

「どうした?」

「あいつオレのターゲットなんだ。自分から出てきてくれるなんてバカだよね」

草陰にいた人物に目をやると槍を持ったおっさんがいた。その胸には371番のプレートがある。確かに言い方はあれだが探す手間もなく自分からのこのこと現れたのは運がいい。

「おれはここで見てる 危なくなったら助けてやるよ」

「助けなんていらないよ 危なくなることなんて万が一にもないから」

「はは、知ってるよ」

軽口をたたいて満足した私はその辺の岩に腰掛けて成り行きを見守った。しかしあのおっさんヒソカに何か用だったのだろうか。…と、そこまで考えたが割とどうでも良いので大人しく二人を観戦することに決めた。

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