09
「おれもお前も海賊だ 忘れるな」
「…ししし!!そうだな”ひとつなぎの大秘宝”目指せば敵だけど…2年前の事は色んな奴に恩がある。ジンベエの次にお前に会えるなんてラッキーだ!!!天使の奴も本当ありがとな!!!」
「………」
「いえいえ、ルフィさんいい人そうだし助けてよかったです!」
「お前いい奴だな!あれ?でもなんでお前おれの名前知ってんだ?」
「だってルフィさん有名だから!私の名前はサラです、よろしくお願いしますルフィさん!」
「そっか!よろしくなサラ!」
私が手を差し出すとルフィさんは私の手を握り返してまたあの陽だまりのような笑顔で笑った。歳上のはずなのに幼く見えてしまうのはルフィさんのいいところなのだろう。
「ハァ…ハァ スモーカーさん…!?まさか…スモーカーさんっ!!!!」
「スモさーん!!」
「わっ…海軍!?あれ?もしかして…」
「おいマズイぞルフィ!!海軍だ!!!」
「ああ」
「大佐ちゃんどうしたァ!?」
「スモやん無事かァ〜〜〜!!!」
「ハァ…!!ハァ…!!スモーカーさんっ!!!」
「やっぱケムリン達じゃねェか!!懐かしいな〜〜!!」
「………!!胸に…穴が…(こいつは海賊の心臓を100個本部に届けた狂気の男だ!!!)」
女海兵さんがそばに倒れているスモーカーさんに走り寄る。心臓を取られてぽっかりと空いて空洞になっている胸を見てキッ!と目に涙を浮かべて女海兵さんはローに向かって行く。ルフィさんだけがその場に似合わない空気でスモーカーさん達との再会に喜んでいた。
「よくも!!!」
ブゥーー…ン!!
「おいおい…よせそういうドロ臭ェのは嫌いなんだ」
ドクン!!
サンジさん達と同様にスモーカーさんと女海兵さんを入れ替えた。ローは刀を鞘に収めると私の腕を取った。
「たしぎちゃァ〜〜ん!!!」
「畜生 二度までも!!」
「スモさんも倒れてんぞォ!!!」
「懲りねェ女だ…!!そう深刻になるな」
「でもしょうがないよ。誰だって心臓に穴空いてればびっくりすると思う。もしローの心臓に穴が空いてたら私泣いちゃうもん」
「おれはそんなヘマはしねェ。第一そんな大事なモンを盗られるほうに非がある」
「もう。でもローに怪我がなくてよかった。お疲れ様、ロー!」
「お前もな。と言いてェ所だが研究所に戻ったら説教だ」
「え!?やだ、どうして!」
「あれほど部屋にいろと言っておいたにも関わらず言い付けを破っただろう。忘れたとは言わせねェ」
「その事なら許してよロー…ちゃんと反省するから!おにぎりも作る!ね?」
「うるせェ。もっとキツイ仕置きされてェのか。喚こうが説教はする。だが、まァおにぎりは食ってやってもいい」
「…!はーいわかったよ。おにぎりね。具はおかか!どう、完璧?」
「ああ、上出来だ」
「えへへ、私ローの事ならなんでも知ってるもんね〜」
ローにおにぎりを作る事が決まった。ローの好きなおかかをたっぷり入れてあげよう!説教もされておにぎりも作るなんてなんか変だと思ったけどそこは深く考えないことにした。
「ルフィ!急げ ここはヤベェ!!」
「うん!!そうだトラ男!!ちょっと聞きてェんだけど!!」
「研究所の裏へ回れ…お前らの探し物ならそこにある。また後で会うだろう 互いに取り返すべきものがある」
ローがそう言うとルフィさんは一つ返事をして茶ひげさんに乗って研究所の裏へ進んで行った。スモーカーさんや女海兵さんが倒れてそれどころではない海軍の人達を置いて私達も研究所の中へ入って行った。