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「あァ聞いたか……?早速だ 死んじまったぞモネ!」
「そう…うふふふふ…それは期待外れ…ローと同じ”最悪の世代”で政府が”黒ひげ”に劣らず危険視してる一味よ 完全復活なんて仰々しく記事になっていたからもっと骨のある奴らかと…ーーね?ロー…」
「………」
「ーーよく知ってるんじゃない?2年前のシャボンディ そしてマリンフォードであなたは”麦わら”と二度関わってる」
「なに?」
「………」
「モッ、モネさん?」
「うふふ、何かしら」
「あ、いえ…」
有無を言わせない笑みを浮かべるモネさんに私は言葉をなくした。モネさんの目が分厚い丸メガネに遮られて見えないのが少し怖く感じる。
カチャ…!!
「お前が呼び込んだって事はねェよな…」
「…っ!そんな簡単に銃を向けないで下さい、シーザーさん!」
「バカめ、最初からお前らの存在は怪しかった。百歩譲ってお前だけなら何もできそうにねェがローは違う」
「だからって!」
「いい、サラ。やめろ。何度も言わせるな、玄関ではち合わせるまであいつらが研究所に捕らえられてたなんて知らなかったと言ったろう。知ってたらおれが警告してやった…部屋に閉じ込めたくらいで安心するなと…お前らのその”甘さ”でおれは海軍を追い払えなくなったんだ。ここがバレる事はおれにとっても都合の悪い事なんだぞ」
向けられた銃口に怯えるどころか眉ひとつ動かさずにそう言い切ったローを見てシーザーさんは少し考えるような素振りをすると銃を下げた。これだけで私は肩の荷が下りた気がした。どうかあんまりヒヤヒヤさせないで欲しい。
「……まァ仲間を呼び込むならもっとうまくやるよな…わざわざ政府に媚びて”王下七武海”にまでなりこの島に来た男が話の拗れる様なマネするハズもねェ…悪かったな」
「ふぅ…よかった」
「表情が豊かね サラは」
「え!?そうですか?」
「ええ、さっきから百面相してたわよ」
「それってちょっとバカみたい…」
「私はいいと思うわ。感情を外に出してくれる子は見ていて可愛いもの」
「モネさんもとっても美人で可愛いです。大人の女の人って感じで憧れます!」
「嬉しいわ。うふふふ!ありがとう、サラ」
丸メガネを上げて綺麗な笑顔で微笑んでくれるモネさんに私も笑い返した。本当にモネさんは余裕があって大人の女の人だなと思う時がよくある。ローもよく世話を焼いてくれるんだけど、モネさんも気づいたら何かしら私を気にかけてくれる。だから私はモネさんに色々感謝している。
私とモネさんが話している間にシーザーさんとローは話が終わったらしく、私はローに行くぞと言われてオレンジジュースを飲み干してから後ろについて行った。
「戦闘は?」
「必要なら呼べ…!!誰の首でも獲ってやるよ」
ローはモネさん達の方に振り向かず、そのまま扉を開けて部屋を出た。
「偶然って怖いね、ロー。たまたまはち合わせちゃっただけなのに疑われるなんて」
「ああ。だが麦わら屋がこの島に来たのも何かの縁。あいつらは信用に足りる一味だ」
「ローがそんな事言うなんて珍しいね。私には周り全員疑えー!ってうるさいのに」
「それはお前の注意力が欠如してるからだ。まァその話はいい。今から麦わら屋の所に行く。お前も一緒について来い」
「私も!?やったー!一緒に行く!」
この島に来て割と、というか初めて一緒に来いと言われて嬉しくなった私はその場でスキップをする。そしてツルッと滑って転びそうになった所をまた呆れた顔のローに支えられた。