04
 
「………」

「………」

「………」

「……おい」

「ん?」

「お前本当に大丈夫か?なにか変な食いもんでも食ったんだろ」

「失礼な。私の頭がおかしいと言いたいのか大ちゃん」

「まずお前が俺をそう呼ぶ時点でおかしいんだよ。いつも大輝って呼んでるだろ」

「そうだったね。たまには呼び方を変えてみようと思ったんだ。ダメだったかな」

「いや、ダメじゃねぇけど」

大ちゃんもとい大輝はそう言ってから言葉をなくし、私を変なものでも見るかのような目で見てから押し黙った。なんだ、この世界にいた私は彼らにどの様な態度を取っていたのだろうか。

「梨花」

「なにかな」

「俺の名前はわかるか?」

「…ど忘れした」

赤髪の彼が私に向かってそう問う。ど忘れどころか私は当然だが彼の名前など知らない。すると黄瀬が少し大きめに声をあげた。

「さっき梨花っち俺の名前もど忘れしたって言ったんスよ赤司っち!」

「それは本当か?」

「ああ、最近物忘れが激しくてね」

「物忘れとかの領域じゃないっスよ!俺めちゃくちゃショックだったんスからね!」

「梨花ちんにしては珍しーよねそーゆーの」

「赤司と並び学年トップのお前が人の名前、それも黄瀬と赤司の名前を忘れるなど考えられないのだよ」

「……は?学年トップ?私が?」

「そうですよ。文武両道、容姿端麗、品行方正。そう言われるたびにいつも嫌がってたじゃないですか」

何だそのスーパー完璧人間は。それに何故そんな褒め言葉を言われて嫌がるのだろうか。水色の髪の彼は言葉を発さない私を静かに見つめた。私が彼らの知っている私ではない事を打ち明けたほうがいいのだろうか。なんとなくそれはいけないと思う。ならばどうやってこの場を切りぬけようか。

「赤司征十郎。俺の名前だ」

「そうだった。忘れていてすまないね、赤司」

「一応僕も。黒子テツヤです」

「テツ君が言うなら私も!梨花ちゃん、私は桃井さつきだよ!」

水色の髪の男の子は黒子。そして桃色の髪の女の子は桃井と言うのか。忘れないように頑張って覚えよう。その後、緑色と紫色も名前を名乗った。緑間と紫原か。頭の色にちなんでいるので名前が覚えやすいから助かる。黒子は髪が水色なのに名字が黒らしい。

「梨花、何か困ったことがあれば言うんだ、いいね?」

「困ったことね、わかったよ」

「俺にも言って欲しいっス!なんせ俺は梨花っちと同じクラスなんスから!」

「わかったから私の手をブンブン振るのはやめてくれないか」

「そんなつれない梨花っちもやっぱり可愛いっス!」

「可愛いか。黄瀬、そう言う言葉は好きな女に言うといい。私が勘違いしたら面倒だろう」

私がそう言ったその瞬間、屋上の空気がピシッと効果音を立てて固まった。全員の目が私に突き刺さる。何か変なことでも言ったか?

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