青島達に接触した零は彼等から直接情報を盗むことが出来ているようだ。
計画に少し便乗することで信頼を得ることが出来ているという。
資金を提供してやったが、これは後で回収するから良いらしい。
青島とフスコと私達夫婦(仮)四人での会食は今日が初めてだ。
道中、もう一度厳しく敬語指導が入った。
「いいか、絶対にミスるなよ」
「かしこまりました」
「モノは持っているな」
「はい。こちらに」
私は太腿にぶら下げた冷たいソレをドレスの上から撫でた。
何かあれば、最悪私がこれで殺せばいい。
日本でもトップクラスのホテルをくぐり、指定された部屋まで無言で歩く。
スイートルームの前に立ち、決められた回数、リズムで扉を叩くとゆっくりと扉が開いた。
先日見た顔をした二人がそこにはいた。
「ようこそ」
「青島さんにフスコさん。先日ぶりですね」
「その節はどうもありがとう。助かったよ」
「いえいえ、お力になれて光栄です」
零が人当たりの良い態度で彼等に対応している隣で私はニコニコと笑顔を絶やさずにいた。
部屋に入り、扉が閉まるとそこはもう密室だ。
「こちらが私の妻の葵です」
「飯島葵です。本日は私の我儘を聞いて頂きありがとうございます。どうしてもお二人のお話しを直接お聞きしたいと思ったものですから」
「同士が出来るのであれば喜んで」
「そうだとも。しかもその相手が美しい女性だとならば一層力が入るもんだ」
「お二人とも冗談がお上手なのね」
「冗談なんかじゃないさ!お二人ともこちらへ」
私達は奥にあるソファへ通される。
そして促されるまま座ると二人は真剣な顔で私達を見た。
「それじゃあ俺達の活動について取りあえず説明していこう」
彼等が保守系の過激派であること。
日本人を使ってのテロは難しいこと。
戦地で出会った難民やゲリラを使ってテロを行っていたこと。
しかし何故か彼等が殺されたこと。
今は再び地盤を固めていること。
そして今後さらに強力な力を手に入れる予定があること。
得られた情報は私達が得たものとそう変わらなかった。
問題なければ三週間後には武器や軍資金が自動で送られるのは新たな情報だった。
直接やり取りするものだと思っていたが違うらしい。
これは別々で始末する必要があるな。
それから彼等のどうでもいい話を耳に流して、食事会は終了となった。
ご飯がおいしかった。
車に戻ると食べ過ぎだとまた怒られた。
マフィアからメールが来ているのに気付いた。
それとなく予定を聞いてみたんだが答えてくれているだろうか。