「新しい情報だ」

携帯を見ていたナギがそう言った。
車を運転していた風見もミラー越しにこちらを見た。

「マフィアの男、2週間後にイタリアンマフィアの別支部に顔出しに行くらしい」
「…青島とフスコが計画を最終的に練ると言っていたのも2週間後だな」
「2人を確保するならその時しかない」

そう言ってナギは僕に携帯の画面を見せてきた。
吐きそうな愛の言葉の羅列の中に彼の予定が書かれていた。
二週間後、ロアナプラ。

「ロアナプラ…!」
「黄金の三角地帯だ」

公安の人間ならだれでも知っている。
ロアナプラ、悪党の中の悪党が集う場所。

「こいつがロアナプラに発った時がその時だ」
「二人については大分証拠もあるから今すぐに逮捕しようとすれば出来るが、なぜその時にこだわる?」
「イタ公ってのは鼻が利く。だから下手すれば日本でドンパチし始めるかもしれない」
「日本のためか…確かにロアナプラにいればそうすぐには来れないな」

決まりだな、とナギは言う。
そうと決まればあと2週間でやれることをやるだけだ。

「イタリアンマフィアの方はどうするつもりだ」
「最悪私が始末しよう」
「日本の警察官がマフィアを殺したと公になれば最悪の事態になる」
「その時は辞めるだけだ」

ナギは当たり前の様にそう言った。
こいつもこいつで覚悟が決まってるようだ。

「その時は零にも裕也にも挨拶しに来る」
「意外だな。勝手に行方を眩ませそうだ」
「私は意外と律儀なんだぞ」

ナギはそう言い、真顔でマフィアへの返信を書き連ねていた。
風見とミラー越しに目を合わせた後、車はゆっくりと夜の街を駆け抜けた。

ALICE+