調べものは向いていないと思っていたが、案外必要となれば出来るようだ。
人を殺すぐらいしか能がないと思っていたがそうでもないらしい。
赤井秀一とは時折廊下ですれ違う。
相変わらず不躾な男だが悪い奴ではなさそうだ。
彼はスナイパーらしい。
私は短気だからスナイパーには役不足だと言うと鼻で笑われた。
「煙草、いいか?」
「構わない」
「吸わないんだな」
「昔は吸っていた」
初めは勧められて、それからも多分勧められてずっと吸っていたような気がする。
ふぅっと彼の口から煙が吐き出される。
「君の腕前を見てみたい」
「殺されてみるか?」
「それは遠慮しておこう」
彼は何故私に話し掛けてくるのだろうか?
零との距離を縮めるためか。
それとも私のことを警戒しているのだろうか。
確かに素性は嘘だらけだが。
「ではまた」
「ああ」
部署に戻ると零が思いっきり顔をしかめた。
そしてどこからか消臭スプレーを持ってきて、私に振りかけた。