零にしこたま怒られて、私は初めて泣きそうになった。
零を怒らすととんでもないことになることは分かった。
「ナギさんホントに何やらかしたんだよ。俺2つ隣の部屋にいたけど、降谷さんの怒号がクリアに聞こえたし」
「連絡しないで零の説教から逃げた」
「あー…それは、怒られるわ」
新一が呆れたように笑った。
明日の作戦を立てるために新一と策を練っていた。
後で零も参加予定だ。
「やっぱり明日は盗聴器ぐらいは持っていくべきだな」
「あの男はそんなこと許さない」
「八月朔日さんの命が掛かってるといってもいいんだぜ?」
「私はいつも命懸けだ」
「…命懸けで説教されてたのかよ」
「うん。さっきは死ぬかと思った」
そう言うと新一は笑った。
あの男は裏切れば私だって容赦なく殺すだろう。
私は一人奴の巣穴に飛び込むようなものなのだ。
そうであれば下手な装備は必要ない。
「向こうも盗撮なんかはしないと思う」
「普通に考えたら明日あなたが張維新と会うのを盗撮されても全然おかしくない。それをネタにこちらに何か要求してくる可能性だってある」
「ロアナプラで生き残ってる奴なんて普通じゃないさ」
「…そりゃあ、そうですけど」
「それに私の方が奴の事はよく分かっているつもりだ」
零が部屋に入ってきたのでこの話は一旦終了となった。
新一は何かを考えるように私を見ていた。