人の死体を見たのはそれが初めてだった。
洋ちゃんが死んだ。
不死身くんにやられたのだ。

大量の血の匂いに嘔気がする。
人の死を悲しむよりも、血の匂いに拒否反応を示してしまう自分が愚かしく思えた。
廊下で様子を伺っていたが限界が来そうだった。
私が走り去る直前に不死身くんと目が合った気がした。



トイレで夕食をすべて戻してしまい、私は自室で横になっていた。
疲れた…
今日一日で色んなことがありすぎた。
仲良くしてくれた人の死というのは何と悲しいことなのか。
独りで泣いているとそのうちそのまま眠ってしまった。







勢いよく扉が開かれて、私は目を開けた。
何かが燃えたときの不愉快は煙が鼻を擽る。

「勅使河原!誰かが火をつけた!早く出るぞ!」
「え、あー…マジか」
「何をぼうっとしている!死ぬぞ!走れ!」

つっきーが私の荷物を引っ掴んで走っていった。
私も言われるがままその背中を追う。
とにかく熱い。
袖で口を塞ぎながら息をした。

外に出るとつるみちゅが待っていて、私を抱き締めた。
これはダメだ。
私を誑かそうとしている。
こうなることが分かっていて、つるみちゅは私を自由にしていたんだ。

「生きていたか!姿が見えなくて心配したんだ」
「ああ、うん何とか…」
「辛いことがあれば私に言いなさい。いつでも力になる」
「お気遣いありがとうございます。今は結構です。その時になったら言いますので」

にこりと笑った顔を見せるとつるみちゅは顔の表情を消した。
つるみちゅから体を離して、そのまま軍人に紛れた。
誰かに手を握ってほしくて、私は両手を組んで強く握った。

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