翌日私はアイヌの服と靴を借りて山に出た。
ㇼパちゃんに着いてく。
仕掛けのことや山での考え方を教えてもらう。
令和の都会で生きていた私にはカルチャーショックが多すぎた。
色んなところに罠を仕掛けながら、得物が掛かっていないか見ていく。
山を登りながら色んな話をした。
ㇼパちゃんのお父さん、お母さんのこと。
お父さんのことはまだ真相が明らかになっていないらしい。
悲しすぎて泣いた。
この子がこんなにもしっかりして自立しているのは、お父さんのことがあったからなのかもしれない。
何か手伝えることがあったら手伝いたい。
まあ明治時代での私は使い物にならないけど…
山を歩き回ってクチャに着く頃には日が沈もうとしていた。
「リスの脳みそは珍味だがうまいぞ。美優、食べてみろ」
「いただきまーす……うまい…ヒンナヒンナ!」
「うまいか!よかったよかった」
2人でヒンナヒンナしながらオハウを食べる。
携帯の充電が辛うじて生きていたので2人の写真を撮る。
ㇼパちゃんが驚いて声を上げた。
「なんだそれは?!」
「写真撮ったの。もう充電なくなっちゃうから見れなくなるけど、もし私が令和に帰れた時に見れるじゃん?」
「まずそれはどういう仕組みなんだ!」
携帯の仕組みについて教えると、ㇼパちゃんは信じられないといった顔をした。
顔芸が面白い。
一緒にプリ撮りたい。
「未来にはそんな物もあるのか!」
「そうだよーでもアイヌの暮らしも結構面白いよね」
「そうか。令和の時代にアイヌはどうなっているんだ?」
「うーんごめん、詳しくは分かんない…でももしかしたらここは私がいた世界とは違う世界線かもしれないから…」
「世界せん?」
ここはパラレルワールドで、私が生きていた世界とは違うかもしれない。
だからこれから何が起こるかは分からないし、未来が変わるかもしれない。
と、私は思ったりもするけど…
「…中々面白い考えだな」
「でもそのほうが面白いじゃん。未来はまだ何も決まってないんだし」
「美優は案外しっかりしてるんだな」
「ギャルは自分の信じた道を進むだけだから。周りの事なんて気にしてちゃダメなの」
「ぎゃ…?でもいい考えだ。私も何かに迷ったら美優の事を思い出すとしよう」
「私もㇼパちゃんのことを思い出すよ」
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