小樽に来て、すでに半年が過ぎた。
私は弓の技術が格段に上達していた。
ㇼパちゃんにも褒められた。
ヒグマ狩りは死ぬかと思ったけど、何とか生きてる。
「解体もだいぶものになってきたな」
「でしょ!向いてるかも」
「でも美優は泣き虫だから1人ではな〜」
「恥ずかし!」
風呂に入らない生活も化粧をしない生活も慣れた。
私って順応性高いかも…
私は狩猟が特別上手いわけでもない。
まだㇼパちゃんに手伝って貰わなきゃいけない時がある。
それに気配を消したり足音に気を付けたりするのが抜けてしまうことがある。
加えて針仕事は出来るがアイヌ文様に明るくない。
ということは私はこのコタンにおいて完全にお荷物なのだ…
みんな優しいから申し訳ない。
思い立ったが吉日と、私は明日街に出ることを決意した。
「ㇼパちゃん…私、明日街に出るね」
「ずっとここにいてもいいんだぞ」
「いつまでもお世話になってる訳にもいかないから、なんか私にできることないか探してくる」
「……そうか」
「でも大きい荷物はㇼパちゃんのコタンに置いておいてくれる?また絶対戻ってくるから」
「美優……わかった。絶対だな」
「うん約束。指切りしよ」
「なんだそれは」
ㇼパちゃんの小指と私の小指を絡めて、帰ってくると約束した。
罰は針千本飲むじゃなくて、ストゥで1000回殴るに変更になった。
多分絶対に途中で死ぬ。
翌日、ㇼパちゃんは少しのお金をくれた。
フチとみんなに挨拶をして、コタンを出た。
子達が泣いていたので私も泣いた。
「私の事忘れないでよね」
「当たり前だ。美優こそ、絶対戻ってくるんだぞ」
ニーハイブーツもタイトスカートも久しぶりに袖を通した。
そういえば私はこうだったと、思い出した。
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