◎2

友達の肩に霊が憑いていたら、ゴミを払う振りをして除霊したりなんかして学生生活を過ごしていた。
こういう時にはこの力があって良かったと思うのだった。
その日は放課後に数名の友達と駅前で遊んでアイスを食べていた。

「霊幻先輩だ!」

友達が小声でそう言った。
ああ、噂の先輩か。

「紫は興味全くなさそうだね」
「うん。興味ないから」
「紫のそういう所、私嫌いじゃないよ」

目の前に座る、渚という名の友達がそう言った。
渚は今でも交流がある数少ない友人の一人になっている。
渚は私を見て薄く笑った。

「霊幻先輩ー!」
「おお!お前達も遊んでたのか」
「そうです〜!先輩たちもですかー?」

そう友達が話し掛けていた。
その時私と新隆は特に話をすることもなかった。
新隆を初めて見た印象としては、悪い人じゃなさそうというのが大きかった。
それ以外特に何か思う所はなかった。
何故みんなはこんな何の変哲もない普通そうな人がいいのだろう…
もしかしてみんな男を見る目がない…?
もしくは私の見る目がないか。

「紫、アイス溶けてるよ」
「あ、ホントだ」

目の前のアイスはカップの中で溶けて、ただの甘い液体になろうとしていた。
アイスだったものを喉に流して、私は新隆をもう一度だけ見た。

mae tsugi

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