◎7

「なんで私に付き纏うんですか」

紫は至極迷惑そうに言った。
校門で紫を待っていた俺はその鋭い目つきに少しひるんだ。

「お前のことが知りたいから」
「何ですかそれ…」
「お前と仲良くなりたいって直感的に思ったんだよ」

何故だか昨日見た表情が忘れられなかった。
困っているなら俺が支えになりたい。
それだけだった。

「めんどくさ…で、何の用ですか?」
「連絡先教えて」
「いいですよ。はい」

紫が渋々携帯を取り出したので、連絡先を交換する。

「じゃあ早速遊びに行こうぜ」
「は?」
「今ならアイスも奢ってやるぞ」
「…ダブルで手を打ちましょう」

紫が仕方なしに俺の後ろから歩いてきた。
遅い。
俺に付いて行こうという気が感じられない。

「早く行こうぜ」

紫の手を取ってやる。
冗談のつもりだった。
紫は素早くその手を引っ込めて、俺の顔を殴った。
勿論グーで。



mae tsugi

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