◎2

告白されることが少なくなった。
多分俺が紫とずっと一緒にいるからだろう。
でもそんなことどうでもよかった。
気付いた時には紫といることが当たり前になっていた。

「霊幻先輩」
「お、渚か」
「…紫じゃなくてすいませんね」
「な、何でそういうこと言うんだよ」

紫はこいつに超能力のことを話したんだろうか。
ここ数か月は紫に対する襲撃もなくなって、紫と俺は平和な日々を過ごしていた。

「紫から聞きました。色々と」
「そうか」
「先輩なりに紫を支えてくれてたんですね」
「そんな力になれるようなことはしてないな」
「紫がそう言ってたんですよ」

支えてやりたいと思っていたが、俺の出来ることと言えば紫と下らない話をして一緒に飯食うぐらいしかなかった。
だから紫がそう思ってくれていたと知って俺は純粋に嬉しかった。

「先輩は紫のこと好きなんですか?」

渚が唐突にそんなことを聞くから俺は驚いた。
好きか嫌いかで聞かれたら、そりゃ好きだ。
笑った顔も、美味しそうに食う顔も、馬鹿にしたように笑う顔も、少し寂しそうな顔も、それに俺といる時に気を抜いている顔も。
一緒に過ごしてきた時間の分だけ紫のことをもっともっと知りたくなる。
でもコレが恋愛感情なのか、それはわからない。

「紫って結構恋愛経験ないから私は心配なんです。先輩が遊び半分で紫のことを構ってるのならやめて下さい。紫が傷つくだけですから。それじゃあ」

渚はそう言って去っていった。
遊び半分。
そうなのかもしれない。
ただ紫と仲良くしたい。
それじゃあただの遊びと変わらないだろう。
でもただの遊びだと、俺は言い切ることができない。
紫が俺以外の男と話していたらモヤモヤするし、気の抜いた顔を俺以外の奴に見せてほしくない。
幸せそうにハンバーグを食べる姿を知っているのは俺だけでいいし、寂しそうな顔をして欲しくない。
紫が笑うと俺も一緒に笑いたくなるし、紫に褒められると天にも昇る程嬉しくなる。
それにずっと俺の隣にいて欲しいし、紫にどこにも行って欲しくない。



…もしかして俺って相当紫のことが好きなの?




mae tsugi

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