◎3
「紫、今日は私と二人で昼食べようよ」
「そうだね。たまには」
今日は渚と二人で食べますごめんなさい、と先輩に連絡を入れた。
渚が屋上の鍵を特殊ルートで入手したとのことで、二人して屋上に向かった。
渚って何者なの…
「うわっ…結構風強いんだね」
「紫、スカートめくれてる」
「ご、ごめん」
手でスカートを直して、放置されていたベンチに向かった。
ベンチは埃を被っていたし、少し壊れていた。
「これじゃ座れないね。どっか別のとこ行こう」
「ここでいいよ、ほら」
私は超能力で埃を消し去り、壊れていた部分を直した。
渚は不思議なものを見るような目でそれを見ていた。
「便利ねぇ…」
「そうかもね」
この力が少しでも役に立てて、私は嬉しかった。
ベンチに腰掛けて、互いに弁当を開いて食べ始めた。
以前に比べて私の弁当には野菜が増えた。
霊幻先輩に怒られたからだ。
「ハンバーグを食べすぎだ!野菜も食べなさい!身体に悪いだろ!」と言われてしまった。
あの時の先輩はお母さんみたいだった…
「紫」
「なに?」
「あんたって霊幻先輩のこと好きでしょ」
「はぁ?!!?!」
私は怒鳴った。
怒鳴るなんて人生で初めてだったかもしれない。
私が霊幻先輩のことが好きだ、なんて。
そんなこと有り得ない。
先輩はいい友達だ。
「先輩はいい友達、とか思ってるんでしょ」
「うっ…なんで渚にはわかるのかな…」
先輩はいい友達なのだ。
私と遊んでくれるし、私が超能力者であることを知りながらも普通に接してくれる。
先輩といると気を張らなくていいから楽だし、無言でいても辛くない。
私の世話を凄いしてくれるし、それに心配もしれくれる。
先輩が笑うと胸が擽られるし、ちょっと悲しそうな顔をすると抱きしめしまいたいと少しだけ思う。
先輩が他の女の子と話しているとちょっとだけ寂しいし、先輩に褒められると嬉しくて顔が緩んでしまう。
先輩にはいつも隣にいて欲しいし、離れて欲しくない。
…あれ、もしかして私って先輩のことが好きなのかしら?
「紫、顔真っ赤。どうしたの?」
渚が隣でクスクスと笑っていた。
顔を見られまいと私は下を向いた。
mae tsugi
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