◎2
やはりこいつは昔から変わってない。
とにかくしつこい。
昔みたいに仲良くとは言ったけれど、こんなストーカーまがいのことをされるとは思ってもみなかった。
たまにご飯行ったりするぐらいだと私は勝手に想像していた…
それでも久しぶりに会った新隆はすっかり大人の男になっていた。
何だか大人になった新隆に少しドキッとしたが、そんなことを思っていないように振る舞った。
私はこの約10年で隠すことが上手くなったような気がする。
「まだ渚とは仲良くやってるのか?」
「うん」
「それはよかった」
私の買い物に付き合ってくれるあたり、何だかんだ新隆は私に優しい。
ボブになった髪の毛が少し寂しいと言っている気がした。
新隆の前で、私はカッコよくやれているだろうか。
彼の前で昔の弱い自分を見せたくなかった。
私は成長したのだと、彼と自分に言い聞かせるのだ。
10年前よりも遠くなった背中に、私は手を伸ばすことが出来ない。
「紫、綺麗になったな」
「は?」
「隣にいるのが憚られるぐらい綺麗になったと思ってな」
「…そう思うならストーカーは止めて」
高校を卒業してからも恋人はできた。
出来たけれども、中々続かなかった。
私は結局新隆に縛られたままだった。
私が前に進むためには結局この男との再会は必要だったのだろう。
新隆が私の青春であり、全てだったのだ。
「このスカート紫に似合いそうだな」
「ホントだ」
黒のタイトスカートを渡してきた新隆があまりにもスムーズで私は少し驚いた。
高校生の時みたいに自然と対応していた私自身にも、私は驚いた。
何でこうも自分は格好付かないんだろう。
何とか作ろうとしているペースがどうしても崩されていく。
悔しいけれども何故だかそれが心地よかった。
mae tsugi
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