◎3

昔の俺達と比べて変わったことは、社会的地位なんじゃないかと俺は思う。
俺は自称霊能力者、紫は中学校教師。
立場的に違いが大きすぎた。

「飯でも食いに行くか?」
「うん」

さてどこに行こうか。
この前のレストラン然り、紫はそれなりに良いものを食べて生活しているんだろう。
ブラブラと彷徨っているとファミレスを見つけた。
俺達が初めて入ったファミレスだった。
懐かしいな。
ここから俺と紫の縁は繋がったんだ。
いや、でもここはダメだろう…
流石に俺にも見栄を張らせてくれ。

「ここのハンバーグが食べたい」
「ん?」
「美味しいんだよ?」

紫がにこりと笑ってファミレスを指さすもんだから俺は驚いた。
俺に気を遣ってるんだろうか。
そんなことは馬鹿でもわかる。
でももしかしたら紫も俺との出会いを思い出してくれているんじゃないかと期待してしまう。

「早く行こうよ」

紫がスタスタと歩いて行ってしまうから俺はその背中を追いかけた。
気を遣うだけなのに何でこうも紫は不器用なんだろう。
そういう所は昔から変わっていない。
懐かしいなと思って俺は少し笑みを溢した。



mae tsugi

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