◎2

「おはよう影山君」

廊下を歩いて教室に向かっていると春夏秋冬先生に声を掛けられた。
一緒に登校していた隣の律がビックリしていた。

「無事に帰れたみたいだね。よかった」
「あ、はい…ありがとうございます」
「いえいえ。じゃあ、またあとで」

先生はそう言って去っていった。

「兄さん、昨日春夏秋冬先生と何かあったの?」
「いや、…昨日たまたま帰りに会ったんだ」
「そうなんだね」

先生は超能力を隠している。
超能力者の僕が分からないほどに先生は超能力があることを完璧に隠していた。
だからきっと隠さなくてはいけない理由があるんだろう。
僕が感情を抑えるように、先生にも昔何かがあったのかもしれない。
だから僕は先生が超能力者であることを言ってはいけないような気がした。
昨日僕が帰った後、師匠と先生はどんな話をしたんだろう。
二人は高校を卒業してから会っていないらしい。
10年会わないって…
僕には想像もつかない。
それでもなぜかしっくり来ていた二人の姿を、僕はぼんやり思い出した。


mae tsugi

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