19
「由奈とデートしたんやってな」
「あ?」
「ええなぁ。楽しかったか?」
「…ああ」
花宮が素直に返事をしたことに驚いた。
これは、相当絆されているみたいだ。
「由奈のこと、聞いたんやって?」
「全部聞いた。俺が木吉の膝壊したことも知ってやがった」
「そうなんや」
「あとはあんたが失敗したってことも分かったな」
あーあ、バレてしもうたわ。
「あんたそれでいいのか」
「おう。これでええんや」
「…あんたらしくねぇよ」
「そうかもしれへんなぁ」
半分は自分のせいで起こってしまったことでもある。
先輩からの好意を無視したこと。
それでも由奈と仲良くし続けたこと。
自分のエゴで由奈に一生分の傷をつけてしまったこと。
これはせめてもの罪滅ぼしなのだ。
「花宮、由奈を頼むわ」
「は?何で俺が…」
「あいつみたいに抜けすぎてる奴と付き合えんのは花宮ぐらいしかおらんわ」
そう言うと花宮は黙った。
何か下を向いて考え事をしているらしい。
由奈には幸せになって欲しかった。
出来ることなら自分の手で。
「由奈さん、俺のこと優しいって言うんだぜ?」
「想像しただけでも笑えるなぁ」
「ホント、頭の悪い女だよ」
花宮は少し笑ってそう言った。
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