「おい」
「ん…?花宮か」
サトリを見つけた。
何時もは声も掛けたくないのに、今は話さなくてはいけない気がしていた。
「すまんな」
「…」
「ワシもあいつらと同じような事してしもうたわ」
「…そうかよ」
「あ、最後まではしてへんで?」
「そういうこと聞いてんじゃねーよ!」
何でそんなことを俺に伝えてくるんだこの妖怪は。
サトリの目も少し腫れていて、こいつでも泣けるんだなと思った。
サトリは俺を見ていつもの様な笑みを浮かべていた。
「振られてしもうたわ」
「…慰めて欲しいのかよ」
「花宮に慰められるなんて嬉しいわぁ」
「気持ちわる…」
「はは、冗談や」
自分から声をかけたくせに何を話せばいいのかわからなかった。
この妖怪を慰めでもしたかったのだろうか。
いや、そんな筈はない。
「ホンマに頼むで」
「…」
「ほな、また明日や」
サトリは俺の肩を軽く叩いて俺に背を向けて歩き始めた。
ああ、任されてやる。
あんたが出来なかった分まで俺が幸せに堕としてやるよ。
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