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花宮くんのことを好きになったのはいつからだったんだろう。

最初の印象は最悪だった。
段々本当は優しい人なんだと知った。
花宮くんがバスケをしてる所、凄いカッコよかった。
私を襲った人から守ってくれた時、凄い安心できた。
何気なく声を掛けてきてくれた時、凄い嬉しかった。
夫婦みたいだと言われた時、凄い恥ずかしくなった。

花宮くんになら裏切られてもいいなあ、って思えた。
裏切られても、きっと私は花宮くんを許すんだろう。
そう思えるのは、花宮くんが好きだからなんだよね。

「私は本当に馬鹿な女なんだよね」
「知ってる」
「花宮くんよりも早くおばさんになるし」
「関係ねぇよ」
「自販機のボタンだって押し間違えちゃうし」
「それはもうやめろ」
「花宮くんのことだってこれからも振り回すと思う」
「そりゃ嬉しいな」
「こんな、こんな私だけど、花宮くんのことが好きなんです」

言葉と一緒に涙が出た。
何泣いてるんだろう。
最近の私って泣きすぎだよね。
アンニュイってやつ?
涙が膝に置かれたナプキンにパタパタと落ちてシミを作った。

花宮くんの隣にいると楽しかった。
テンションもぶち上がっちゃったりした。
一緒にいたいと思えた。
この人となら、何でも乗り越えられそうな気がした。

「俺と、付き合ってもらえますか」

花宮くんが笑ってそういうから私も笑った。
私花宮くんの笑ってる顔、好きだな。

「お願い、します」

嬉しいのか何なのかわかんないけど涙が止まらなかった。
何だか夢みたいで、でもお腹の満腹感が現実だと教えてくれた。
花宮くんが泣き続ける私を見て困惑していた。
早速困らせてしまった。
でも私、困った顔した花宮くんも好きだなぁ。

「おい…泣くな。笑えよ」

そう言われて、さらに泣いた。




 

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