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昨日ケーキバイキングで本気を出しすぎた。
今日がIH予選の大事な試合だってわかってたのに…
ケーキを目の前にすると自分を抑えられなかった…
今吉に滅茶苦茶笑われて凄い恥ずかしかった。
消えない満腹感を抱えたまま試合会場に向かった。
「由奈!昨日どうだったの?」
「まだお腹いっぱいだよ〜」
「そうじゃなくて!今吉くんと!」
「べ、別に何もないよ…」
今吉のことが好きなのか、自分でもよく分かってなかった。
今吉の隣は楽だし、好き勝手出来る。
でも、それって私が今吉に頼りっぱなしってだけだ。
「木吉!スタメンで行くよ」
先輩に呼ばれた。
スタメンだって…!
「はい!!」
嬉しくて涙が出そうで、誰かにこの感動を伝えたいと思った。
例えば、今吉とか。
「勝った…」
初めての公式戦で勝てた。
それが凄い嬉しかった。
先輩たちを活かせるような、そんな試合が出来たような気がする。
「おめでとう!」
「ありがとう!」
友達と抱き合って喜びを分かち合った。
幸せだなぁ。
嬉しすぎてロッカールームまでスキップした。
ロッカールームで踊ったら先輩に怒られた。
「由奈」
「い、今吉?!」
着替えて会場の外に出ると今吉がいた。
見に来てたのかな。
「おつかれさん」
「ありがとう!」
「由奈のこと借りてもええですか?」
今吉がそう言った。
先輩と同期がどうぞどうぞと言っていた。
この後打ち上げで焼肉行く予定だったのに…
私はチームメイトと離れて今吉と帰ることになったのだ。
「由奈絶好調やったな」
「そうかなぁ」
「昨日ケーキバイキングで食べ過ぎて苦しんでた奴とは思えんかったわ」
「う、うるさいな!」
ケーキがそこにあったのが悪いんだよ…
私は悪くないよ…多分…
「見に来てたんだ」
「由奈が試合しとるの見に来たんや」
「へへ…」
何だか急に照れくさくなった笑った。
私の顔を見て今吉が笑っていた。
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