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正直花宮くんが苦手だった。
笑顔が胡散臭過ぎる。
それにあからさまに嫌だと態度で示しているのに絡むのは止めて欲しかった。
私が高校の時強姦未遂に合ったことをきっと知らないのだ。
知っていたうえでこんな態度をとるのなら、それはどうしようもなく性悪なだけなのだけれど。
あの時から今吉以外の男の友達はいない。
作れなかった。
いや、作ろうともしなかった。
今吉といるのは楽だった。
それに優しかった。
今吉は私を存分に甘やかしてくれるのだ。
「由奈さんと同じチームになるなんて嬉しいです」
「そうなんだ」
監視されているみたいな視線で見られるのが怖かった。
今すぐにでも逃げ出したい衝動に駆られた。
花宮くんが私に話し掛けて来るけど、内容なんて覚えていない。
誰か、今吉が来てくれればなぁ…
「お、ワシもこのチームや」
よかった…!
私の願いが通じたのだろうか…
「由奈も花宮も同じなんや」
「うん。よろしく」
「足引っ張るんやないで〜由奈って意外と鈍くさいからなぁ」
「引っ張んないよ〜でも今吉が同じチームでよかったぁ」
逃げられないこの空間で今吉だけが救いだった。
本当に私は今吉に依存している。
今吉はきっと罪悪感で私の傍にいるというのに。
このままではいけないと思ってはいた。
独り立ちして、自分一人で生きていける強さを持たなくてはいけない。
けれど甘すぎる今吉の優しさにまだ浸かっていたいと私は思ってしまうのだ。
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