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「楽しいね!!楽しい!」
由奈はさっきからはしゃぎっぱなしだった。
スキップが止まらない。
「由奈がどっか行くの心配やから手握っとってもええ?」
「い、いいよ…私迷子になりそうだしね…」
差し出してきた手を握るとじんわり温かかった。
由奈は顔を真っ赤にして大人しくなった。
ホンマ、分かりやすくて可愛い奴や。
殺した恋心がまた芽生えてしまったのは何時からだったんだろう。
自分じゃあもう由奈を幸せにすることは許されないというのに。
「由奈、ここでちょっと待っとき」
「うん!どこ行くの?」
「ええもん買って来たるから待っとくんやで」
「はーい」
由奈はそう言ってベンチに座った。
由奈が欲しがっていたキャラのキーホルダーでも買って来てやろう。
ついでに好きなチョコラテでも買っていこう。
どうしても今日は由奈の喜ぶ顔が見たいと思ってしまうのだ。
「木吉さん久しぶりぃ」
「俺達を退学にした木吉さんじゃん〜覚えてる?」
「覚えてない訳ねぇよなあ」
「何震えてんの?」
由奈の元に戻ると男達に絡まれていた。
よく見ると、そいつらには見覚えがあった。
あの時の、奴等や。
「何してはるん?」
後ろから声を掛けると男達がこちらを向いた。
「今、吉…!」
「あんたら何由奈に絡んでんのや」
自分でも冷静な声が出た。
由奈が震えながら下を向いていた。
奴等が怯んでいることはわかった。
由奈の連れがワシだとは思わんかったんやろなぁ。
「今度は退学どころじゃ済まさへんで」
そう言うと奴等は去って行った。
由奈、頼むから泣かんといてくれ。
由奈の泣き顔を見ているとどうにも自分も泣きたくなってしまうから。
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