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「今吉さんっていつもどこで昼食ってるんすか?」
「…何でそんなこと聞くん?」
「いやー、この前昼に今吉さん呼びにいったらいなかったんでどこいんのかなと思ったんで」

部活終わりの帰り道、若松にそんなことを聞かれた。
この後由奈と例のケーキバイキングにリベンジする予定だった。

「屋上や」
「え、一人でッスか?」
「違うわアホ」
「じゃあ彼女とか?」

大体を知っている諏佐が少し困った顔をしていた。
何て言えばええんやろか。

「彼女、じゃないなぁ」
「木吉さんですよね?」

桃井がそう言った。
何や、知っとるんかいな。

「せや。木吉由奈や」
「誠凛の木吉さんのお姉さん、ですよね?」
「その通りや」

若松や桜井が驚いた声を出した。
そりゃビックリするわなぁ。
桃井はそんなことまで知っとるんか。
改めて桃井の情報収集能力に驚いた。
この分だと、桃井は由奈が強姦未遂にあったことも知っている。
だから無理に突っ込んだ発言をしないんだろう。
校門に近付くと由奈の姿が見えた。

「今吉さん、木吉さんが待ってますよ」
「せやな。行ってやらんとな」
「そんなに仲いいのに付き合わないんすか?」
「うーん…それは出来んのや」

自分で言っていて寂しくなった。
由奈の幸せを一番に願っている。
出来れば自分の手で幸せにしてやりたい
それなのに、心に住み着く罪悪感からは逃れられないのだ。

「そろそろホンマに行ってやらんと。ほなまた明日や」

そう言って由奈の元に走った。
由奈が柔らかく笑っていた。







 

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